大谷翔平に手術を決断させた心境 「一番いいものを選んだ」と前向き
ダルビッシュを支えた手術の経験
大谷は「高い確率で、今、またはそれ以上の状態にはなれると言われている。そこをイメージしながら、いきたい」とポジティブに手術を受け止めている 【Photo by Masterpress/Getty Images】
そう思い至ったとき、ダルビッシュ有(カブス)の言葉を思い出した。15年3月にトミー・ジョン手術を受けたダルビッシュが、こんな話をしていた。
「自分でやりたいこと、栄養の勉強だとか、体を変えるとか、そういうことが出来る時間。これは自分にとって大きなこと。逆にチャンス」
1年が経ったとき、こう実感した。
「自分の知識がすごい増えた。あのまま普通に1年間野球をやっていたら、ここまで進めたと思えない」
そのダルビッシュは今年、不本意なシーズンを送ったが、来季のキャンプには再び万全の状態で臨めるという。あのときの経験は、確実に今のダルビッシュを支えている。もちろん、手術したことに後悔はない。
では、大谷は、投げられない時間をどう使うか。早ければ来年の開幕から指名打者で出場する可能性もあるので、その分、ダルビッシュら、トミー・ジョン手術を受けた投手とは時間の使い方が異なるが、ダルビッシュも言っていたように、チャンスと捉えられるかどうかは、本人次第。
「高い確率で、今、またはそれ以上の状態にはなれると言われている。そこをイメージしながら、いきたい」
今の自分を超えてみたい。その先にあるのは、どんな世界なのか――。
大谷の決断は、ダルビッシュ同様、どこまでもポジティブだ。