DeNA・伊藤光、再び輝く場所へ 「期待には結果で応えるしかない」

週刊ベースボールONLINE

〜献身〜司令塔のタスク

シーズン中のトレードでDeNAに移籍となった伊藤光、新天地での自分の役割を探す 【写真:BBM】

 今季、DeNAの先発投手は昨季までの投球を見せられず、白星がつかない試合が続く。伊藤がマスクをかぶった試合でも大量失点を重ねるなど、思うような試合展開にならないことも多い。だからこそ、何とか投手の力になりたいと知恵を絞り、配球を組み立てリードする。

 先発陣を勝たせてあげられない試合もありますが、彼らが昨季までどうだったということは僕には分かりません。今、目の前の試合で起きていること、これからやっていくことを大事にしようと思っています。途中から加わった僕が、今季はこうだからという話はしたくないですし、これからどうするか、だと思います。あまり勝ち星がついていないことだけを気にしてはいません。

 投手自身がこうしたいというのがあれば、それを汲みながらリードしていくことを心がけています。先発はほとんど年下の投手が多い。余計に何とかしてあげよう、という気持ちは強いです。投手も最初は僕のことを分かっていないことがありました。そんなときは、とにかく話して理解するしかないです。あとは投球を受けたり、試合中のプレーで互いに理解できればと思っています。新しい気持ちでDeNAに来ましたが、そうした姿勢はオリックス時代から変えていません。

 DeNAは若いチームです。監督、コーチの考え方に合わせながら自分の考えを出していければと思っています。今、チームは難しい状況ではありますが、みんな必死で何とかしようとしています。その中でも、負けを引きずらずにプレーしているのはいいことだと思います。僕はポジション的にも「何とかしなければ……」という気持ちが強く出てしまいがちですが、みんなが暗い気持ちにならずに試合を迎えられています。それはすごくいいことだと感じています。

 捕手に関しては嶺井(博希)、光山(英和)バッテリーコーチともいろんな話をしてやっています。ベイスターズは捕手組が早出でグラウンドで汗を流しますが、僕もオリックスのときは個人的に全体練習前にやりたいことをやるタイプだったのでありがたいですね。

 残りのシーズン、1球1球全力でプレーしていきたいです。勝つためにやった結果が、最後に出ると思います。この気持ちは大切にしていきたいし、全力で腕を振ってくれる投手の頑張りに応えられるようにしていくつもりです。チームの勝利を大前提に、数字では表せない部分や、表に出ないプレー──例えば、投手への声掛け、ワンバウンドを確実にストップするなど、そういう部分にこだわっていきたいです。期待には結果で応えるしかないと思っています。

(取材・構成=滝川和臣、写真=中島奈津子/インタビュー、BBM)

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