打者・大谷の前半戦を振り返る<後編> 相手投手の配球と問われる対応力
ゴロを打たせる相手の攻め
厳しくなる攻め方に大谷はどう対応していくのか? 【Getty Images】
大谷がゴロを打つ場合、右方向に打球方向が偏っているため(図6)、守備シフトがより効果を発揮する。もちろんゴロであるかぎり、柵を越えることもない。
図6:大谷がゴロを打った場合の打球方向(7月11日時点) 【出典『baseballsavant.mlb.com』】
図7:大谷がゴロを打つ確率が高いコース。キャッチャー側からの視点。(7月11日時点) 【出典『baseballsavant.mlb.com』】
図8は、相手投手が大谷に対してどこに投げているかを示したもの。やはり、外角低め付近にボールが集中している。
図8:相手投手が大谷相手に投げたコース。キャッチャー側からの視点。(7月11日時点) 【出典『baseballsavant.mlb.com』】
図9:大谷がラインドライブの打球を打つ確率が高いコース。キャッチャー側からの視点。(7月11日時点) 【出典『baseballsavant.mlb.com』】
攻め方の変化とスカウトの証言
図10:3月29日〜4月11日までの大谷に対する全86球の配球。キャッチャー側からの視点。 【出典『baseballsavant.mlb.com』】
図11:3月29日〜4月11日に大谷がヒットを打ったコース(全8安打)。キャッチャー側からの視点 【出典『baseballsavant.mlb.com』】
こうした攻めの変化について、あるア・リーグ東地区のスカウトに聞くと、カギとなった2つの打席を挙げている。
「まず、4月12日のロイヤルズ戦。ブランドン・マウアーの内角高めの2シームを右中間に運んだ。そして(同)27日のヤンキース戦。あのときは、ルイス・セベリーノの見逃せばボールというやはり、内角の速球をライトスタンドに叩き込んだ。あれで、対戦相手は、対策を迫られることになった」
そこで行き着いたのが、外角中心の攻め。そこにゴロを打たせることのできるコースもあった。危険はあるが、内角ほどではないということか。