「一緒に住めない」と女性がドン引き ランニング中心のオリラジ藤森さんの “きっちり生活”

Runtrip MAGAZINE

(文 西島 恵/ 写真 倉島 周平 )

バラエティ番組では“チャラ男”として引っ張りだこのオリエンタルラジオ・藤森慎吾さん。2016年に番組の企画でフルマラソンに挑戦し、初マラソンにしてサブ4という偉業を達成。「周囲の人から『すごい!』と褒められたことが嬉しくて」、以降、プライベートでもランニングを続けているとのこと。

「仕事から帰ってから、夕飯までの間。だいたい10〜15kmくらい走りますが、日によっては15分の場合もありますし、距離よりもとにかく毎日走ることを優先しています。走った後は予約しておいたご飯屋さんに行って、好きなものを食べるのが楽しみ。カロリーも何も気にせずに夕食を食べられるのが何よりのご褒美ですね」

そんな藤森さんは走ることが日課になってから、それまで自堕落だった生活が一変。「女性がひくくらい」というほど、きちんとした暮らしぶりについて伺ううちに、意外な素顔が見えてきました。

「絶対一緒に住めない……」と女性がドン引き!? きっちりした私生活

©2018 Shuhei Kurashima

20代の頃は、とにかくだらしない生活をしていたという藤森さん。

「ベッドがあるのに一年中ソファで寝たり、朝5時まで飲んで、そのまま仕事へ行くこともよくありました。今なら絶対に考えられないですね。一人暮らしだと、怠けようと思えばいくらでも怠けられるじゃないですか。でも、毎日走るというようにちょっとしたルールを自分に課すことで、他のことも少し丁寧になるというか、日常生活が整理整頓されていったのです。ランニングをきっかけに、暮らしの中に“決まった時間に決まったことをやる”という秩序が生まれた気がします」

その一例として帰宅してからのルーティンを教えてもらうと、これがなかなかすごい。

©2018 Shuhei Kurashima

「そのままの状態でリビングに入りたくないので、まず、玄関横のパントリーで、身につけていたものをすべて外します。時計を外して、メガネをラックにかけて、カバンの中身もすべて出して。そして、その日の分の領収書を決まった封筒に入れ、財布を所定の位置に置いてから、軽くシャワーを浴びますね。

だいたいそこまでがセットで10〜15分くらい。その後はもう自由にくつろぐんですけど、これはもうルーティンというか、『ちゃんと課題をやってから遊びたい』みたいな感覚なんです。女の子にこういう話をすると嫌がられるんですけどね……『絶対一緒に住めない』って(笑)」

聞けば聞くほどチャラ男のイメージが遠ざかりますが、「芸人の先輩にもよく言われるんですよ。『なんで夜な夜な走ってんの? チャラ男ならクラブ行けよ』って」と藤森さん。

「『走ったって別におもろくならんやん』とかね。そりゃあその通りなんですけど、ランニングで生活リズムが整ったことで仕事にもいいコンディションで臨めたりと、間接的にいい効果もある。それに、30歳を超えて自堕落に暮らしているとお腹が出たり、頭が薄くなったりとビジュアルも崩れていくじゃないですか。やっぱり人前に出る仕事ですから、最低限のビジュアルは保っていたいし、100歳まで元気に長生きしたいんです」

「明確なゴールに向かって頑張るのが好き」努力型チャラ男の素顔

©2018 Shuhei Kurashima

日常的に走ることで基礎体力が上がり、今はとにかく体を動かすことが楽しい時期。次の目標として考えているのは「フルマラソンでサブ3.5を切ること」なのだとか。

「こういう枷を設けてしまうと結構きついんですけど、サブ3.5は切ってみたい。その達成感を味わってみたいんですよね。レギュラー番組をやっていると決まった曜日の決まった時間に決まった場所に行くという生活が何年も続いていて、もちろんそれはそれで楽しいんですけど、こういう新たな挑戦があったほうが飽きないし、かえって仕事も頑張れる。マラソンで得た達成感や成功体験が自信にもつながりますしね」

聞けば、明確な目標を掲げて頑張ることがもともと好きだと言います。

「オリエンタルラジオというコンビで言えば、相方(中田敦彦)は何かを生み出したり、作り出したりするのが得意なタイプ。僕は、相方が生み出した新たな目標をどうすれば完遂できるか考え、そこに向かって頑張るのが好きなんです。

だから相方からは『お前はマラソン向いてるよなぁ。ハマるのわかるわ。俺は一生やらないけど』と言われましたね(笑)。意外と好きなんですよ、地味にコツコツやるのが」

ランニング好きの彼女を求めて「マラソン合コンがしたい!」

©2018 Shuhei Kurashima

地方へ行くときもシューズを携帯し、観光がてらその都市を走って周る。走ることはもはや藤森さんの生活の一部というより、軸を成すものと言えるかもしれません。

「広島に行ったときも広島駅を中心に、原爆ドームや広島球場など観光名所を走って回りました。車を使うと目的地以外はスルーしてしまうけど、走れば道中のすべてが観光地になる。それがすごく魅力ですね」

今や生活のすべてがランニング仕様と言ってもいいですが、「逆に結婚は遠のいている気がする」と本音をポツリ。

©2018 Shuhei Kurashima

「ランニング好きの女の子が身近になかなかいないんですよね……だから最近はもう走っている人に声をかけようかなと思ったり。それもあって、マラソンと男女の出会いがセットになった、マラソン合コンみたいなイベントをやりたいんですよ! 人と話しながらだと距離も時間も忘れて楽しく走れるし、健やかな出会いでいいじゃないですか」

ランニングへの姿勢があまりにも真摯だったため、チャラい発言があるとホッとするほど。ランニングとの向き合い方は人それぞれですが、これほどギャップのある人も珍しいのでは。

そんな藤森さんは、今日もまた走っていることでしょう。

©2018 Shuhei Kurashima

藤森慎吾(ふじもり・しんご)1983年、長野県生まれ。大学在学中に中田敦彦とお笑いコンビ「オリエンタルラジオ」を結成。「武勇伝」のリズムネタで大ブレイクし、一躍時の人となる。2016年に番組の企画で初マラソンに挑戦し、3時間53分51秒でゴール。現在は地元の諏訪湖マラソンのゲストランナーを務めるなど、ランニング関連の仕事でも目覚ましい活躍を見せている。
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