波乱含みの安田記念、今年の穴候補は? 6番人気以下の6〜7歳馬に要注意
前走マイラーズC組の成績
表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
前走京王杯スプリングC組の成績(脚質はTarget
表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
前走G1からの好走馬(日本馬)
表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
なお、外国馬のべ18頭はすべて前走G1のチャンピオンズマイル(香港)で、計【0.1.0.17】と苦戦している。2着になった08年のアルマダは同レース2着だが、同レースで連対した外国馬にかぎっても【0.1.0.8】に終わっており狙いづらい。
前走G3、オープン特別からの好走馬
表8 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
結論
今年は一長一短のメンバー構成だが、まず好走の多いG2組から挙げれば、一昨年の2歳王者・サトノアレス。4頭の登録があった藤沢和雄厩舎は、京王杯スプリングCを制したムーンクエイクなど3頭が回避とのことだが、本馬は京王杯スプリングCで後方から上がり32秒7(メンバー中2位)で追い込んで3着と、表6の好走条件をクリアするこの馬だけが残った形だ。G2組の勝率が低いこと(表4)に加え、優勝馬は1〜2番人気以外なら7〜9番人気(表1)という条件に当たるかも微妙だが、馬連や3連複の軸としては十分に推せる存在だ。
また、表は掲載しなかったが、ここ4年(14年以降)の6番人気以下の好走馬7頭はすべて6歳以上、かつマイルG1で4着以内の実績馬。そこで狙ってみたいのは、昨年本競走3着の7歳馬・レッドファルクス。他の前走G1組はG1・1勝以下の馬ばかりの中、本馬はG1・2勝に本競走3着と、表7で記したG1実績に準ずる成績は残しているだけに楽しみはある。
ほかに穴の期待がかかるのは、「ダービー卿チャレンジTを含む連勝」(表8)を飾ってきたヒーズインラブ。また、マイラーズC組(表5)ではタイム差こそ1秒以上だが、今回人気薄で5歳以上と2つの条件はクリアするダッシングブレイズやブラックムーンもおもしろい。両馬とも、穴馬の好走が多い6歳馬だ(表2)。
なお、レッドファルクス以外の前走G1組は前述の通り表7からはやや苦しいが、前走G1組は高回収率(表4)を記録する上、1〜3枠の人気馬がほとんど好走していることから(表3)、枠順も踏まえて最終的な取捨は判断したい。
文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。