記者人気NO.1はタワーではなく別の馬 「厩舎力」で逆転かNHKマイルC座談会

競馬専門紙「優馬」

今年もまたまた牝馬の出番 テトラ&プリモでワンツーも

クイーンカップの内容が評価されているテトラドラクマ(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

デスク「ここ2年は牝馬が勝って、昨年なんかはワンツーまで決めたレース。今年もその再現があるのかな?」

久光「大いにありますね。中でも、この舞台での未勝利勝ちとクイーンC勝ちの内容が秀逸なテトラドラクマです。クイーンCは、レース史上3番目の優秀な時計ですし、ここ2年の勝ち馬を輩出している鞍でもありますからね。不良馬場で時計がかかった一週前の坂路で、持ったままでラスト1ハロンが12秒2と、次点の12秒7を大きく上回る時計を叩き出したように、約3ヶ月ぶりでも抜かりのない仕上げですよ」

坂倉「前走のクイーンCは、絡まれて前半1000mが57秒8というハイラップになりながら、後続を押さえ切ったもの。数字的にも立派ですが、あのような競馬をしたことで他馬が行きづらくなり、スローに落とすことはないでしょうが、自分のリズムで行ける公算が高いように思えます」

小野智「前走については陣営も“スタートが決まったことで、いつもより前で運ぶ形となったが、自分でレースを作って自己ベストを更新したんだから立派だよ”と、褒めてましたが、ギリギリまで放牧先にいた、いわゆる“10日競馬”で、デキに関しては半信半疑だっただけに、なおさらでしょうね。対して今回は、手元でじっくり時間をかけて陣営も満足の仕上げです。桜花賞をパスしたことも、余力を残したという点でむしろプラスでしょう。小西師は“今の東京の馬場はどうも先行馬に分が悪いのが気懸かりだ”と漏らしてましたが、別に逃げなくてもレースができる馬ですし、“あとは弟子(田辺騎手)に任せた”とキッパリ言い放った師の表情は明るかったですよ」

佐藤直「今年から新たにアーリントンCがトライアルになったとはいえ、このレースでは過去を紐解いても、マイル路線を歩んできた馬より、ワンランクレベルの高いクラシック戦線を歩んできた馬の方が結果を出しているんだ。ただ、今年は皐月賞組が不在だし、何よりまたまた牝馬が強い世代。ならば、この舞台でテトラドラクマを差し切った未勝利戦と、外枠からアッサリ抜け出したフェアリーSも強かったプリモシーンで勝負になるよ」

デスク「前走が桜花賞というのは、ここ2年の勝ち馬の共通項でもあるんだけど、プリモシーンは10着と大敗した点をどう見るかだな」

中邑「大きく出遅れた上に、直線でも前が壁になって全く追えなかったプリモシーンの桜花賞は、度外視していいでしょう。僕も、テトラドラクマを差し切った未勝利勝ちは他の2歳重賞と比べても遜色のない優秀な内容だと思いますし、輸送の短い東京なら力をフルに発揮できるはずです」

守屋「桜花賞については中邑さんの言う通りですし、新馬戦は一旦抜け出しながら勝ち馬に一気にこられ、いい目標になったのが敗因で、負けた2戦には明確な理由がありますね。しかも、その新馬戦は、勝ち馬が阪神JFと桜花賞で4着、フラワーCでも2着のトーセンブレスですから、ここに入っても大きく力は見劣りすることはないはずです。年明け3戦目という消耗度の少ないローテーションにも好感が持てますし、あとは戸崎圭騎手が直線で巧く他馬を捌けるか、だけだと思いますよ」

小野智「その戸崎圭騎手は、追い切り後に“動きは良かったですし東京もイイです”と前向きなコメント。ただ“勝ちます”とは言わなかったので、“人気のテトラを負かしていますよね”と、水を向けたら“あの時は僕じゃなかった(北村宏騎乗)スから”と。まぁ、皐月賞もそうでしたけど、GIで変に気合が入らない方が結果を出すというのは、本人も自覚しているようですからね。これはいい方に考える手もあります」

西田「陣営も“うまく捌けていれば掲示板の上位があったかもしれない”と、悔しそうに桜花賞を振り返ってましたが、初の関西への輸送でテンションが上がり、ゲート裏から落ち着かずに出遅れた時点で、終わってしまった感を受けますね。幸い、ダメージも残らず、いつも通りの短期放牧を挟んでの順調な仕上りで、“少し大人になってきた”と言わしめるほどの落ち着きもあります。陣営も私もリベンジに燃えてますよ」

伊利「僕も昨年の再現がある、というスタンスですが、牝馬が勝つと言うのではなく、昨年2着のリエノテソーロと同厩舎、同騎手、同馬主、さらには芝とダートの両方で勝ち鞍があり、スパイツタウンの血も内包と共通項の多いリョーノテソーロを狙ってみます。クロッカスSで見せた器用な立ち回りが可能な好枠もゲットしたことで、一発の匂いが漂いますよ」

デスク「もう一つ共通項を挙げれば“人気が全くない”だな。不気味と考えるべきか、滅多にない激走例がそうそうは起こらないと見るべきかだが……」

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競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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