バトンが開幕戦で表彰台、可夢偉も参戦 注目度高まる2018年スーパーGT

吉田知弘

可夢偉はコバライネンとコンビ

小林可夢偉とコバライネンがコンビを組むNo.39 DENSO KOBELCO SARD LC500 【写真:吉田成信】

 バトンと同様に、元F1ドライバーの小林可夢偉も今季からレギュラー参戦をする。所属するのは16年にチャンピオンを獲得したLEXUS TEAM SARD(No.39 DENSO KOBELCO SARD LC500)で、こちらも元F1ドライバーでスーパーGTは参戦4年目となるヘイキ・コバライネンとコンビを組むということで話題となっている。

 シーズン前のテストからマシンのセッティングがかみ合わず苦戦を強いられているが、開幕戦を終えて徐々に改善傾向にある。第2戦の富士はWEC(世界耐久選手権)参戦のために欠場する可夢偉だが、シーズン中盤にかけての巻き返しに期待できそうだ。

 さらに今季LEXUS TEAM LEMANS WAKO’Sに加入したフェリック・ローゼンクヴィストも目が離せない存在だ。昨年はスーパーフォーミュラに参戦し、タイヤ無交換・無給油作戦を完遂するなど、レースマネジメント能力に注目が集まった。今年は電気自動車のフォーミュラEにも参戦し、17−18年シーズンでは2勝を挙げ、ランキング3位(第7戦終了時点)につける活躍を見せている。彼もGT500マシンは初めてではあるが、乗り始めからパートナーの大嶋和也と遜色ないタイムを記録するなど、抜群の適応力をみせ、開幕戦でも4位入賞に貢献した。彼もフォーミュラEとの兼ね合いで第3戦鈴鹿を欠場することになるが、間違いなく18年シーズンを盛り上げる存在になりそうだ。

日産もレクサス勢も高いポテンシャル

 注目のGT500クラスは、開幕戦でNo.17 KEIHIN NSX−GT(塚越広大/小暮卓史)が優勝、No.100 RAYBRIG NSX−GT(山本/バトン)が2位に入り、ホンダ勢がワンツーフィニッシュを飾った。開幕前から好調だったホンダ勢、その速さを警戒する声がライバルからも上がっていたが、決勝レースではレクサス勢や日産勢も速さをみせた。日産勢はスタート時の混乱で不運な形でペナルティを受けてしまったが、その後のレースペースはホンダ勢をしのぐ勢いがあった。それだけに第2戦以降は優勝争いに食い込んできてもおかしくない存在だ。

 レクサス勢も、予選で下位に沈んでしまったが、決勝では着実に挽回。終わってみれば、トップ2台のホンダ勢から5秒遅れでNo.1 KeePer TOM’S LC500(平川亮/ニック・キャシディ)が3位、No.6 WAKO’S 4CR LC500(大嶋/ローゼンクヴィスト)が4位に入った。特にレースでの戦いぶりでは、3メーカーの中で一番安定感を見せており、今後ウエイトハンデも絡んでくるシーズン中盤戦では手ごわい存在になってくるかもしれない。

 次回の第2戦は静岡の富士スピードウェイで開催。通常よりも長い500キロ(約3時間)のレースで、東京からも近くゴールデンウイーク期間中の開催ということもあり、2日間の述べ来場者数は8万人を超える大人気のレースイベントだ。

 ここでは語り尽くせないほど、例年以上に見どころの多いスーパーGT。この機会に是非サーキットに足を運んで、今大人気のモータースポーツを観戦してみてはいかがだろうか。

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著者プロフィール

1984年生まれ。幼少の頃から父の影響でF1に興味を持ち、モータースポーツの魅力を1人でも多くの人に伝えるべく、大学卒業後から本格的に取材・執筆を開始。現在では国内のSUPER GT、スーパーフォーミュラを中心に年間20戦以上を現地で取材し、主にWebメディアにニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載。日本モータースポーツ記者会会員

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