ダノン回避で皐月賞狙える馬は? データ推奨はオウケンとジャンダルム

JRA-VANデータラボ

皐月賞の種牡馬別成績(近5年)

表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表7は種牡馬別成績。ディープインパクト産駒が一昨年のディーマジェスティ、昨年のアルアインと2勝をあげるも、出走数が多くて連対率・複勝率が抜けて高いというわけではない。同産駒の3着以内馬5頭中4頭は前走を勝利しており、人気薄の2頭が勝ち切っている点に注意。逆に皐月賞で1番人気に推された一昨年のサトノダイヤモンドは3着、昨年のファンディーナは7着にそれぞれ敗れている。なお、キングカメハメハ産駒の3着以内馬3頭はいずれも皐月賞で上位3番人気以内に支持されていた。

皐月賞の母父別成績(近5年)

表8 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表8は出走馬の母父別成績。黄色で示した母父サンデーサイレンスが15年ドゥラメンテら2勝をあげ、連対率33.3%・複勝率50%と優秀だ。昨年の2・3着馬も該当しており、一昨年を除いて毎年1頭は3着以内に入っている。一昨年もエアスピネルが強力メンバーの中で4着に入っており、注目したい血統要素といえる。後継種牡馬ではなく、サンデーサイレンス自身が母父に入っているのが重要な点だ。

ダノンプレミアムの過去4戦における2・3着馬の上がり順位

表9 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後に表9は今回の皐月賞で本命視されていたダノンプレミアムの過去4戦と2・3着馬のメンバー中の上がり順位をまとめたもの。ご存じの通り、ダノンプレミアムはスタートが良くて先行でき、なおかつ速い上がりで早々にセーフティリードを作れる馬だ。2着には上がり順位1位か2位の馬が入っている

 朝日杯FSではダノンプレミアムが上がり最速だったから、同馬以外ではステルヴィオが最速。この馬が2回続けて2着に入っていることからも分かるようにダノンプレミアムが先行集団を一掃して、速い上がりを繰り出せる馬が2着に突っ込む展開となっていたわけだ。また、3着馬にもメンバー中上位の上がりを使った馬が入っていた。

 ダノンプレミアム不在の今回は早目に潰される可能性が少なくなった先行勢に利が出て、速い上がりを使える瞬発力型が損する形となると想定したい。ハイペースになると先行勢も厳しいが、平均ペース〜スローで前が踏ん張る展開を中心に馬券作戦を組み立てたい。

結論

表10 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 今年の出走予定馬は表10のとおり。

 ダノンプレミアム回避で人気に推されるのは前走弥生賞2着のワグネリアンだろう。ただし、1番人気のディープインパクト産駒が近2年敗れていること、これまで10頭以下の少頭数のレースしか経験していないことは大きなマイナス要因といえる。人気ほどの信頼度はないと見て、押さえに回したい。前走スプリングS1着のステルヴィオも表9で示したようにダノンプレミアムの恩恵がなくなる今回はあくまで押さえまでとしたい。

 データならびに表9の推測から推奨したいのが前走共同通信杯勝ちのオウケンムーンと前走弥生賞3着のジャンダルム。オウケンムーンは相性の良い共同通信杯組でかつ中山芝2000mでの勝ち鞍もある。先行して3連勝と結果を残しており、血統背景は地味目でそれほど人気がない今回も狙い目だ。ジャンダルムは昨年末のホープフルSでも2着、前走弥生賞は3着だが、ダノンプレミアムがいない今回は恩恵が大きいだろう。出走予定馬で唯一の母父サンデーサイレンスも大きな強調材料だ。

 他ではスプリングS2着で2走前のあすなろ賞の内容が秀逸のエポカドーロ、休み明けでも中山芝2000m適性が高いジェネラーレウーノも上位評価にあげておきたい。なお、キタノコマンドールは前走実績がないすみれS組、タイムフライヤーも不振傾向の前走5着以下から評価を下げたい。今回は先行勢を中心に狙ってみたい。

文:ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。

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