対談連載:トップランナーであり続けるために

女性ならではの壁も、背を向けずに前へ 高木美帆(スピードスケート)×畠山愛理(新体操)

宮崎恵理
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提供:明治

太れない危機感 食事も楽しめず

ザバスを目的によって使い分けて、ハードなトレーニングに役立てているという高木 【坂本清】

畠山:美帆ちゃんは自分で料理もするんですよね?

高木:そうですね。特に今季はずっと自炊でした。もともと、高木家のルールで、『女子は高校に上がったら弁当は自分で作るべし』だったんです。姉もですが、高校時代は(兄も含めて)きょうだい三人ともお弁当は自分で作って持って行っていました。

畠山:うわー、すごい! 私も最近独立してお料理するようになったけれど、もっぱら卵料理ばっかり。

高木:分かる! 私も卵料理は多いですね。ゆでておけば朝すぐに食べられるし、たんぱく質も葉酸も摂れますし。

畠山:新体操の場合は、太っちゃいけないという危機感があって、成長期にかなり極端な食事制限をすることがあります。そうすると、月経が来なくなってしまったり、骨がスカスカになってしまってけがが多くなったり。新体操の練習は1日に8〜10時間。だからしっかり食べてもいいはずなのに、炭水化物を取り過ぎたら太ってしまうという強迫観念があって、毎食きっちり100グラムを計ってご飯を食べていました。栄養士さんに「白米は200グラム食べても大丈夫」と言われていたのに、100グラム以上食べたら罪悪感でいっぱいになってしまって、もうおいしく食べられなかった。「100」という数字を見ないと安心できないんです。スピードスケートの選手は食べる量は多いんですか?

高木:食べますね。食べないと体力が持たないし、体重や筋力も落ちてしまってパワーやスピードに影響してしまうので。でも、選手によっても指導されるポイントが違っていて、脂肪が多い選手はコーチに注意されることもあります。ご飯だけじゃなくておやつを食べ過ぎるのも太る原因だし。反対にレースが続くと、疲労で内臓が疲れてしまってご飯が喉を通らなくなることもありました。

スーパーヴァーム顆粒を夏場のハードなトレーニング時に活用しているという高木 【坂本清】

――お二人とも、体作りや体型維持にサプリメントなどを活用されているそうですね?

高木:昨年の夏のトレーニング時期はしっかり食べていたので、そこまで困らなかったけれど、シーズン中、レースの時間によっては食事の時間が遅くなるとか、ホテルでの食事の栄養状態があまり良くないというような場合にサプリメントを積極的に活用していました。以前は試合、遠征が続くと疲れがたまって良いサイクルではなかったのですが、試合前だけでなく、試合後にもザバスの「エナジーメーカーゼリー」や「ピットインエネルギージェル」を活用してしっかり糖質補給を行うようになってからは、エネルギーが枯渇してしまった感じはなくなり、1年を通して動けるようになった気がしています。

 プロテインについては、時期や練習内容、目的によって数種類を使い分けしています。例えば、スピードを重視した氷上トレーニングの時期は、大きな筋肉、というよりはスピードを重視した筋持久力の向上を目指しているので、ホエイとソイを1:1の割合で設計され、鉄分などのミネラルやビタミンも配合されているザバスの「タイプ2スピード」を活用しています。また、夏場のサイクリングでのロード練習の後やレース後には「リカバリープロテイン」を活用していますし、食事がすぐに摂れないときや運動強度が高い時などは「リカバリープロテイン」にたんぱく質含有量の高い「クリアプロテイン」をプラスして飲むこともあります。また、夏場のウエイトトレーニングの時には、「アクアホエイプロテイン100」をよく飲んでいましたし、ちょっと体を絞りたいというような時期には「ソイプロテイン100」に変えたりしていろいろと取り組みました。

畠山:私は、現役時代は8時間以上のトレーニングをしていたけれど、引退して当然運動量が減ります。なので少しでも運動する時間をとるようにしています。仕事の合間にトレーニングジムに行くのですが、トレーニング効率のためにも、最近は運動前にアミノ酸をとるようにしました。このヴァームダイエット、おいしいしおススメです!

高木:私の場合、スーパーヴァーム顆粒はもっぱら夏場のトレーニングの時に活用していました。自転車でのロングロードの練習時が一番多かったですね。ロングロードはすごくエネルギーを使うのですが、体脂肪のエネルギーを活用することのメリットを栄養士さんに教わって「なるほど!」とスーパーヴァーム顆粒を運動前に摂るようにしました。サポート当初、スーパーヴァーム顆粒はただダイエットのために飲むものだと思っていましたが、体脂肪のエネルギーを上手に使うことができる分、筋グリコーゲンを節約する意図もあることを知って、「試してみる価値あり!」と思いました。

情報を活用していくことが大切

厳しい食事制限を課してきた経験があるからこそ「しっかり食べることを大切にしてほしい」と畠山 【坂本清】

――厳しいトレーニングの合間に食事や生活の管理もしなくてはいけない。コントロールする中で、食事の楽しみをどんな風に見つけているのでしょうか。

高木:食事に関する楽しみは、だんだん薄れてきた感じがあります。昔ほど食に執着しなくなってきました。

畠山:ええ、そうなの? 私はすごく規制された中でも、食事は楽しみでしたね。美帆ちゃんは、休みの時はどんなことをして楽しんでいるんですか?

高木:ここ2年間くらい、休日もオフでなくてはできないことをやっていました。スケートシューズの修理や自転車の掃除とか。オフもスケートのために時間を費やしてきた感じです。でも、今日はチョコレートを食べちゃいました(笑)。基本的に食べてはいけないものがあるわけではないので、しっかり食事をしつつ、たまにリフレッシュで甘いものも食べたりしてストレスをためないようにしています。これまで、トレーニング、食事、睡眠、すべてのことのレベルを上げていこうと考えていました。今季の競技結果は、そういう生活の影響はとても大きいと思っています。

――最後に、女性アスリートとして、頑張っているアスリートやジュニア選手にメッセージをお願いします。

高木:私は女子だから、男子だからということをあまり考えません。でも、やっぱり女性ならではの壁にぶつかることもあったし、そこから目を背けては前に進めない。情報が増えてきた時代だから、活用して取り組んでいくことが大切だと思います。

 若い子たちにとって、食事のトレーニングは必要なことで、だけど習慣づけは難しいことはでないということを分かってもらえたらうれしいですね。私も高校の頃から質は置いておくとして、たくさん食べてきた、というのは今に生きていると思います。食べても太らない体を作るのは可能なことなんですよね。なんとなく、それを今実感しています。成長期の習慣は競技生活が長くなってから生きてくることを分かってもらえたら、と思います。

畠山:食べる、イコール太ると思っている人は、アスリートだけではなく一般の女性全体に多いと思います。アスリートはそういう間違った情報によって選手生命が短くなったり、けがが絶えないということにもなりがち。だから、しっかり食べることを大切にしてほしい。食事の中身を理解して、バランスよく食べることを心掛けてほしいです。

(文中敬称略)

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著者プロフィール

東京生まれ。マリンスポーツ専門誌を発行する出版社で、ウインドサーフィン専門誌の編集部勤務を経て、フリーランスライターに。雑誌・書籍などの編集・執筆にたずさわる。得意分野はバレーボール(インドア、ビーチとも)、スキー(特にフリースタイル系)、フィットネス、健康関連。また、パラリンピックなどの障害者スポーツでも取材活動中。日本スポーツプレス協会会員、国際スポーツプレス協会会員。著書に『心眼で射止めた金メダル』『希望をくれた人』。

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