100万馬券出たNZT、今年は波乱か平穏か 注目すべきデータは前走クラス別成績

JRA-VANデータラボ

前走クラス・レース別成績(レースは好走馬輩出レース)

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 前走に関しては、今年からアーリントンCが大幅に繰り下がり、本競走の1週後(4月14日)に行われる点がどうでるかが読みづらい。ただ、これまでの傾向としては、アーリントンC以外にもファルコンSなどがあるG3組が3着以内14頭と約半数。そして500万組8頭、G2組6頭、という順に好走馬が出ている。500万組については、出走47頭中43頭が前走1着馬だったが、アーリントンCが移動してきたことにより、前走2着以下の馬が出走するチャンスが増える可能性もあるだろう。

主な前走クラス別成績

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 その好走馬が多い前走500万、G3、G2組は、それぞれ人気や着順である程度はっきりした傾向が出ているので、表5にまとめてみた。まず前走500万組は、そこで2番人気以内だった馬なら複勝率30.4%など好成績だが、前走3番人気以下からの好走は、16年の2着馬ストーミーシーのみ。同馬は唯一、前走500万条件敗退から連対した馬でもあり、例外的な存在だ。

 続いてもっとも好走の多いG3組。こちらは前走3着以内なら複勝率38.5%をマークするが、4着以下は9.3%止まり。それでも8着までならチャンスが残されるものの、9着以下に敗退していると、20頭すべてがここでも馬券圏外に敗れ去っている。

 そして最後にG2組。こちらは、前走5着以内に加え、このレースで2番人気以内に推されると【2.1.2.0】で、5頭すべてが馬券に絡む好結果を出している。この条件を満たせずに好走したのは、阪神で代替された11年に12番人気で優勝したエイシンオスマンだが、同馬は前走スプリングS5着と、「前走5着以内」のほうは満たしていた。G2組から穴馬を買うにしても、少なくとも前走5着以内の条件はクリアしている馬にかぎりたい。

 以上、ニュージーランドTの傾向をまとめてみた。まずは、最後に表5で挙げた前走クラス別の成績で各馬を見極めておき、発売開始後に、表2や表3からもうひと絞りしたり、加えたりするといいだろう。日曜に発表された登録馬を見ると、まず前走G3・3着以内のカシアス、そして前走500万条件を1番人気で勝ってきたケイアイノーテック、ラムセスバローズあたりが、馬体重(表3)も問題なさそうな注目馬として挙げられる。

文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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