長友「今修正しないと手遅れになる」 国際親善試合 マリ戦後のコメント

スポーツナビ

長谷部誠(フランクフルト/ドイツ)

長谷部は球際で競り負けるなど個のクオリティーを課題に挙げた 【写真:高須力】

「個のクオリティーにフォーカスしないと」

(守備について)今日はとにかく前からしっかりとはめにいって、ブロックも試合の中で相手の出方を見ながら(調整する)と考えていました。前半は結構はまっていた部分もあったし、チャンスも作れていました。その中で最後に仕留める部分は精度を欠いてしまった。前半に関してはPKで失点して0−1で折り返しでしたけれど、そこまで悪い感覚はやっていてなかったんですけどね。

 後半に関して、前半もそうでしたけど、局面で(相手にマークを)はがされたりすると、たとえブロックを作っても(やられてしまう)。やっぱり1つかわされると(マークが)ズレて、ズレてとなってしまう。マリの個(の力)に自分たちが個々でも、そして組織としてもズラされてやられたという感覚があります。(後手後手になったが、どうすればよかった?)もう少しブロック(の位置)を1度下げることを考えてもよかったかもしれない。個々(のマーク)がはがされるだけではなくて、ボールを取った後の自分たちの精度が今日はかなり低かったと感じました。

 今日に関しては、もちろん戦術の部分はあると思いますけれど、選手個人個人がやはり個のクオリティーにフォーカスしないと。いくら戦術があっても、今日は本当にミスも多かったし、局面局面で簡単にかわされる部分も多かった。球際で負ける部分が多かったですし、それがサッカーの大前提なので、そこをもう1度、選手がしっかりと痛感するゲームになったと思います。(その要因は?)難しいですね。実際にマリの選手たちも個々の能力は高かったと思います。アフリカ特有の(ボールを取り合う場面で)ガチャンとなったらそこを押し切る力もありましたから。そういう部分では個のクオリティーで単純に日本が劣っていたのかなというのも感じますし、なぜかと言われるとちょっと難しいですね。

 まだもう1試合あるので、そこで取り返せる部分はある。この3日間くらいでしっかりフォーカスしてやっていきたいと思います。

宇佐美貴史(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)

ディフェンスラインの背後を狙うプレーを求められた宇佐美だが、足元で受けたかったと漏らす 【写真:高須力】

「背後を狙う攻撃の一辺倒になっても良くない」

 前半は(ゴールまで)もう少しのところまで持っていけましたけれど、結果的にゴールにはなっていない。前半の状態を見て、少し背後(を狙う)という意識をハーフタイムに(監督からの指示で)意識付けされました。そこからボールが動くというよりは、背後に入ってセカンドボールを狙う形になっていきました。相手もブロックを作ってくるし、もう少し(ボールを)保持しながら、流動的に動きながらできれば、個人的には良かったです。それは監督が求めていることではないので、とにかくまずは背後という言われ方をしていました。そういう意識付けは後半からはより強くしてやりました。

(自分の中ではギャップを感じていた?)前半は厳しかったです。(味方の)顔が上がれば背後を狙いますけれど、顔が上がるシーンがなかったですし、短いパスをつなぐシーンしかなかった。後半は(昌子)源が持って仕掛けていけばサイドから斜めに動き出すという決まりごとの中でやって、何本か(パスを)引き出すシーンがありました。そういうロングボール、セカンドボールを拾ってチャンスになるならばいいけれど、ピンポイントで足元に入ってゴールに行くのはなかなか難しいし、それ一辺倒になっても良くない。でも、それくらいの勢いで背後、背後という形になったので、背後も重要ですけれど、もう少し個人的には足元で動かしながら、選択肢として余裕があれば背後(を狙う)というくらいでもよかったと思います。

(自分自身のアピールについて)結果を出せていないですし、得点を作り出すシーンもなかった。正直、アピールできたとはまったく思っていません。(チャンスメークや得点まで持っていく止まりではダメだと?)もちろんそうです。

 新しい選手が入ったり、普段組んだことのない選手とやるのは代表選手の宿命だと思います。その中で常に100パーセント、まずチームとしてのパフォーマンスが100あって、個人の力を100出せるのか。個人的な理想としては、ああいう(負けている)状況で個の力で一発で局面を変えてゴールにしてしまえば、チームとして余裕を持って良いリズムでやれるわけなので、そういうところを自分の目的、ストロングポイントとしたい。一発でやり切るシーンがないと、自身の満足度は高められないですね。

昌子源(鹿島アントラーズ)

昌子は監督からの指示を守るだけではなく、ピッチ上の選手が考えることが大事と話す 【Getty Images】

「言われたことにチャレンジするのは大事だが……」

 時間が長くて、なかなかボール回しがうまくいかないなと。いきなりロング(ボールを狙うの)は難しいと思うし、もう少しボランチやSBとトントンと(ボールを動か)しながらのロングとか、そういうことをやっていければもう少し形ができたのではないかと思います。

(試合前からそういう指示があった?)特には言われてなかったですけれど、ダイヤゴナル(斜め)に貴史と(久保)裕也が走る。後半に1本、貴史にすぐ蹴ったのがあって、ああいうプレーは言われていましたけれど、そればかりになりすぎてもいけない。言われたことにチャレンジするのはもちろん大事ですけれど、自分たちでもう少し考えて、もう少し短いパス、長いパスというのを心掛けていれば、いいリズムができたのではないかと思います。

(高い守備ラインがはまった時間帯もあった。全体的にボールを奪う位置が低すぎた?)前半は悪くなかったと思います。前半のハイラインは僕とマキ君(槙野智章)がすごく高いところにいたと思います。サコ君(大迫勇也)も高かったし、全体がコンパクトに高いラインができていた。その中で、特に後半は1点を取りにいかないといけない。逆転を狙いにいかないといけない時にどうするか。

 何でもかんでも前から行っても疲れるだけですし、後半になると相手の技術も上がったような気がしました。相手がドリブルで2、3人かわしてくるシーンもありましたし、その中で点が欲しいからといって前から行くのは正しい判断ではないと思う。時には引いてカウンターとか、いろいろなサッカーができればと思いました。

(守備には手応えがあった?)前半に1本(中村)航輔が止めてくれたのがありましたけれど、あれ以外はピンチらしいピンチはなかったと思います。マキ君が出てほしい時、僕が出てほしい時には声をかけ合っていました。後半になったら(酒井)高徳君になりましたけれど、高徳君と僕の関係、佑都君とマキ君の関係もよくなっていました。あれをもっと密にやっていけたらいいと思います。

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