大谷はカーブをカウント球にできるか? スプリング・トレーニングリポート(1)
2月24日(現地時間)、オープン戦初登板は2回途中2失点だった大谷 【写真:USA TODAY Sports/アフロ】
このうち、日本人選手が多いのは「カクタスリーグ」だ。カブスに移籍したダルビッシュ有をはじめ、今季から渡米したダイヤモンドバックス・平野佳寿、パドレス・牧田和久、そしてエンゼルス・大谷翔平ら、日本人選手の大半はこの地で調整を進めている。
【データ提供:データスタジアム】
至る所に自生するサボテン 【写真:データスタジアム金沢慧】
普段はデータスタジアムのアナリストとしてデータを用いた分析記事を書くことが多いが、今年のスプリングトレーニングではデータに加え、現地の様子を交えてリポートしていく。
現地でも高い大谷への注目度
【データ提供:データスタジアム】
ストレートでカウントを整える傾向はこの日に限ったことではなく、表のように日本時代の過去2年でも同様だ。160キロを超えるストレートでカウントを整え、追い込んだらスライダー、フォークも交える。これが大谷の基本的な投球スタイルだ。
ただし、この日はそのストレートを思い通りには制球できていなかった。特に、初球でストライクが取れたのは2度のみと、各打者への入り方に苦労していた。試合後に「決め球は良かったけれど、カウント球には少し苦労した」と語っており、本人としても、早いカウントでどのようにストライクを稼ぐかは次回以降の課題と考えているようだ。
カウントを整えるのに有効なボールは?
【データ提供:データスタジアム】
日本時代のデータを見ても、大谷はダルビッシュらに比べてカウント球でのストレートに対する依存度が高い。2月24日の試合で2本の長打を浴びたように、コースが甘く、球速が落ちたストレートはメジャーリーガー相手だときっちり捉えられてしまう。その対策として、カウントを整える変化球は必要不可欠だろう。
【データ提供:データスタジアム】
2月24日のカーブは1ストライクから投げた1球のみだったが、見逃しのストライクとなり、観客から大きな歓声が上がった。試合後の会見でも、カーブでストライクが取れたことは収穫だったという内容のコメントを出している。大谷は初回の投球練習時、2球目と3球目にカーブを投げたが、この時はいずれもうまく決まっていなかった。その意味でも、本番で投げた唯一のカーブでストライクが取れたことには手応えを感じていたようだ。
大谷のストレートの球速はメジャーリーグの先発投手と比較してもトップクラスだが、ここまで見たように、カウントを整える球種の選択肢は少ない。日本時代同様に、追い込むまでをストレートに頼ると痛打を浴びる。まだ1試合ではあるが、それが浮き彫りになったオープン戦初登板だったように思われる。カウント球にどのような球種を使うのか。スプリングトレーニングで今後も試すであろう「カーブ」を注意深く追ってみたい。
※データスタジアム(株)の収集データ、およびSTATCASTのデータを使用
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