阪神の成長株・才木浩人が語る未来「将来は奪三振王を狙える投手に」

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甲子園での登板がモチベーションに

2月11日に行われたDeNA戦で3イニングを無安打無失点5奪三振の快投。首脳陣の期待に応えた 【写真=小山真司】

 昨季10月5日。高卒ルーキーながら1軍昇格を果たし、中日戦(甲子園)の8回にデビュー。1安打は打たれたが、1イニングを無失点に抑えた。この日の夜は興奮でなかなか寝付けず、起きたのが昼12時過ぎだった。今でもあの場所で投げたいと強く思う。その気持ちが、オフのトレーニング、春季キャンプで強い気持ちとなり結果を残し続けている。その先に見える目標にも手が届きそうだ。だが、意外にも才木自身は冷静に先を見据えて、日々鍛錬を続けている。

──昨年のこの時期よりはすごい成長ですよね。

 はい。それはすごく感じています。昨年は当然、2軍キャンプで投げていましたので。今は成長していく過程が自分の中で実感できて、すごく楽しいです。

──やはり毎日が楽しく感じているのですね。

 好きな野球ができるプロ野球の世界に入って、毎日野球ができているので試合などで投げていてもすごく楽しいです。それと昨年の1軍初登板がすごく楽しかったです。でもキャンプでは、1軍の打者を抑えてアピールをしていかないといけない立場になっているので、楽しいとはまた違う感覚で投げています。実戦ではもっともっと質のいいボールを投げてアピールしたいです。

──10月5日の初登板のときは「求めていた感覚はこれだ」と思ったりしましたか。

 しました、しました! 甲子園であの雰囲気がすごかったです。このときには「絶対にこのマウンドに帰ってきたい」と強く思いました。それがオフのモチベーションになりました。「もっと頑張っていかんとあかんな」とめちゃくちゃ思いましたから。

──想像していたとおりの場所だったのですか。

 2軍でも甲子園で登板していたので「こんな感じだろうな」とは思っていましたが、マウンドに上がりライトの外野スタンドを見たときのお客さんの多さで「こんなに違うんや」と思いました。あの夜はなかなか寝付けなかったですね。「もう一度投げたいなあ」と思い返して。

──すごいモチベーションになりましたね。

 本当にそうです。いい経験をさせてもらったな、と。あの経験をして2年目を迎えるのと、しないで迎えるのとでは大きな違いがあったのではないかな、と。

力で押して三振を奪うタイプの投手

──そうなると明確な目標も立てやすいですね。

 基本は先発で……開幕1軍先発ローテーション入りを目指しています。今は1軍で投げる機会をもらっていますので、チャンスだと思います。そこで結果を残していきたい。ただ、そこで焦り過ぎてケガをしてしまい、気がついたら開幕を2軍で、ということにはなりたくないです。

──ケガが一番怖いですからね。

 3年後などには10勝くらい挙げられる投手になっていたいと思っていますので、そこは本当にケガをしない程度で頑張って、アピールできるところはしっかりアピールしていきたいです。

──メリハリですね。

 はい。しっかり練習するときはしっかり練習して、休むときはしっかり休んでいきたいと思っています。ヒジも肩も問題ないので、投げさせてもらっている試合ではしっかりと結果を残していきたいですし、もちろん内容もしっかり求めていきたいです。

──そこから自分の投球スタイルを確立していくのですね。

 はい。どちらかというと力で押して三振を奪うタイプの投手だと思っていますので。将来は奪三振王なども狙える投手になりたいな、と思っています。

(取材・構成=椎屋博幸)

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