本橋「戦術などにも注目してもらえたら」 一夜明け、カーリングLS北見が会見

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鈴木「私が一番好きなのはいちご」

銅メダルを手にして、笑顔をのぞかせる選手たち 【写真は共同】

――日本のお茶の間で休憩タイムが「もぐもぐタイム」と呼ばれたり、試合中の5人のやりとりが非常に人気でした。本橋さんと藤沢選手に伺いたいのですが、そういった反響をどのように受け止めていますか?

本橋 ハーフタイムが「もぐもぐタイム」と愛称が付いたようなのですが、まずはカーリングというスポーツに興味を持ってもらえて、選手たちのプレーを見てもらえて、何かのきっかけで見てもらえることは、選手をやっている全員がすごくうれしい気持ちでもあります。それをきっかけに、さらにカーリングにのめりこんで、戦術などにも……私たちは練りに練っているので、注目していただけるとありがたいです(笑)。

藤沢 私たちは「もぐもぐタイム」というのは、大会後半になってそういう呼ばれ方をしているんだなというのを知りました。私たちにとっては本当にいつもどおりの、長丁場の試合なのでハーフタイムに果物やゼリーは必ず必要です。なまっているのも、みんな北海道出身なので、自然にそういうふうにしゃべっているのが目立ってしまっていますが、それだけやはり今までは、北海道や長野といった限られた地域でしかカーリングが知られていなかったり、プレーしている選手がいなかったりという形だったので、私たちもなまっていることに気が付かなかったのですが(笑)。

 こうやって五輪や大きな大会でカーリングというスポーツを知ってもらって、北海道でやっている人が多いということを知ってもらいましたし、北海道や青森や長野以外の地域でも、もっともっとカーリングをやってみたいなという人が増えてくれたり、もっともっとカーリングが普及するきっかけになればと思います。

――本橋さんへ伺います。地元への思い、メダルを持ち帰りたいという思いが強かったと思いますが、チームを設立してからの思いを振り返ってください。

本橋 18歳で北見市を離れて青森に行って、24歳で戻ることができたのですが……(言葉に詰まる)。もう戻ってくるなと言われるかと思って青森から出て、北見市に戻ることができて、そしてこの後にこんなにかわいらしい後輩たちと出会えました。さらに本当に私が感謝すべきところは、やはりチームが活動するには資金が必要で、強化するにあたっても大事なものでした。それにおいて、勝つためにお金を出すんじゃなくて、地域で応援されるチームであってほしいから応援するといって賛同してくださった北見の8社さんがスタートになっていることも決して忘れませんし、そのスポンサーさんたちも現地にも足を運んでくれて、私たちよりも先に泣いていたのは確かでした。

 私が18歳で北見を出た理由として、「北見ではカーリングは続けられない」というふうに言われて、私も藤沢も泣く泣く出るような形にはなってしまったのですが、出た先の青森でもカーリング、チームのカーリングスタイルというのはチームに根付いたもので、それは青森で教わったチームづくりでもあるので、いったん北海道を出て勉強させていただいて、本当に良かったと思っています。まだまだ青い私をいろいろとサポートしてくださった皆さんが北海道に限らず全国にたくさんいるので感謝したいですし、今戻ってきたみんな、北見市で就職することができて、本当に北見市の皆さんの力がなければここまで来られなかったと思っています。

――「もぐもぐタイム」で一番人気の高い食べ物、勝負時に食べるものがあれば教えてください。

鈴木 「もぐもぐタイム」で私が一番好きなのはいちごでした。韓国のいちごはびっくりするくらいにおいしくて。海外のいちごはすっぱいものが多いのですが、韓国のいちごはおいしくてお気に入りでした。

吉田夕 毎回フルーツは必ず持っていくのですが、私たちはスイーパーなので、3時間しっかりと掃き切れるように、「もぐもぐタイム」というかわいい名前はついているのですが、栄養補給と作戦タイムのための時間なので、エネルギー切れをしないように、私は常にゼリーを飲んでいました。

――藤沢さんにお聞きします。前回の5位から3位で銅メダルを獲得しましたが、一方で決勝には進めませんでした。これから日本が上のチームを目指す上で、どういうことが必要か、どうやったら世界一をとれるのか。今回プレーを通して感じたことがあれば教えてください。

藤沢 今、ちょうど決勝をやっていてどちらが勝つか分からないですが(編注:スウェーデンが金メダル、韓国が銀メダル)、特に予選1位で上がっていた韓国の女子チームは大会を通してすごく安定した状態で試合に臨んでいましたし、地元開催がプレッシャーになることもあると思うのですが、それをプラスに変えていっているチームでした。今シーズンを通して五輪にピーキングが本当に合っていた、本当に勢いのあったチームだと思うので、そこは見習いたいという部分もありますし、同じアジアのチームとしても誇りに思います。自分たちにも刺激をもらえました。もっともっとお互いをさらに高め合っていかなければいけないですし、私たちもそこまで出遅れているわけではないと思うので、もっともっと自分たちを高めれば、世界一にもちょっとずつ近づいていくんじゃないかと思います。

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