【新日本プロレス】オカダがSANADAの挑戦を退けV10達成 記録よりもIWGPへ強い思い入れ示す

高木裕美

ヒロムとの意地のぶつかり合い制したオスプレイが防衛

オスプレイがヒロムとの激闘制す 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 IWGPジュニアヘビー級選手権試合では、王者ウィル・オスプレイが高橋ヒロムを下し、初防衛に成功した。

 両者は8カ月前、この大阪の地でシングル初対決。昨年5.31大阪での「Best of The Super Jr.24」公式戦で対戦し、オスプレイがオスカッターで勝利して、決勝進出を決めていた。その後、今年の1.4東京ドーム大会では、史上初となる4WAYマッチで戦うも、ヒロムは勝敗に絡むことなく、オスプレイが王者であったマーティ・スカルを破って王座を獲得していた。

 戦前からツイッターを通じてやり取りを繰り広げ、直前の記者会見ではオスプレイが、ヒロムから贈られたフライドチキンを和やかに頬張るなど、独特の空気感が漂っていたが、いざタイトル本戦では、互いの意地が爆発。ヒロムが場外へのサンセットフリップパワーボムを繰り出せば、オスプレイもエセックス・デストロイヤー、リバース450°スプラッシュといった大技からコークスクリューキック、オスカッターを狙うも、これはヒロムが阻止。さらにヒロムは、掟破りの逆TIME BOMBを狙おうとしたオスプレイに対し、逆にカナディアンデストロイヤーを放って先制パンチ。しかし、オスプレイもスパニッシュフライ、シューティングスタープレスから、逆TIME BOMBでお返しをすると、さらに後頭部へのナックルパートからのオスカッターで勝利を奪った。

 試合後、オスプレイは、IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカから指名を受け、3.6「旗揚げ記念日」大田区総合体育館での「IWGP王者対決」が決定。2年前、イギリスでの出会いによって運命を変えられた相手に対し、新日本のチャンピオンという立場で、どんな戦いを見せるのか。

内藤はYOSHI-HASHIに辛勝 ミステリオの米国大会参戦決定

内藤を攻め込んだYOSHI-HASHI 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 内藤哲也はYOSHI-HASHIに辛勝。YOSHI-HASHIのなりふり構わぬ猛攻で、場外でのヘッドハンターや、バタフライロックを食らいながらも、冷静に対処し、雪崩式フランケンシュタイナー、浴びせ蹴り、ドラゴンスープレックスからのデスティーノ2連発で仕留めた。だが、試合後、突如花道から現れたタイチが内藤をマイクスタンドで襲撃するハプニングが起きた。両者は10年前、タイチが新日本初登場時に対戦し、2010年頃は同時期にメキシコCMLLで活動。今年の1.23「タカタイチマニア」後楽園大会では、メインイベントで一騎打ちを行うなど、因縁の深い相手に突っかかっていった。

 外道vs.BUSHIでは、外道がBUSHIにマスクはぎを仕掛け、さらにマスクのヒモをリングに結びつける頭脳プレイで精神的揺さぶりをかける。だが、BUSHIは外道のヒゲを切るために用意していたハサミでヒモを切り落とし、素顔を守り抜いたまま、エムエックスで勝利した。

 第4試合終了後、会場内スクリーンで映像が流され、3月25日に行われる米国ロサンゼルス興行に、レイ・ミステリオJrの参戦が決定した。ミステリオはVTRで「レジェンドであるライガーと戦いたい」とアピール。このメッセージに、放送席に座る獣神サンダー・ライガーが驚きの表情を見せると、観客からは盛大な拍手と「ライガー」コールが起きた。

真壁がみのるのIC王座挑戦が決定的に

みのると真壁のIC戦が決定的に 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 真壁刀義が、鈴木みのるの持つIWGPインターコンチネンタル(IC)王座挑戦にこぎつけた。

 両者は8人タッグで対戦し、強烈なエルボー合戦を展開。真壁が鈴木軍のTAKAみちのくをラリアットからのキングコングニードロップで粉砕すると、マイクを手に「オイ、鈴木さんよ。インターコンチ挑戦させろよ、この腰抜け!」と言い放ち、ICベルトを手に「来てみろよ」と挑発すると、 みのるもリングに上がり、「このゴリラ野郎が。おまえはまだ現実が分かってねぇみてえだな。じゃあ、キサマとこの大阪のクソどもにオレの気持ちを伝えてやる。オイ、真壁! オレと戦え!」と、真壁の決め台詞を引用しながら、王座挑戦を受諾した。

 IWGPジュニアタッグ王者組であるSHO&YOHが、ノンタイトル戦ながら、鈴木軍の金丸義信&エル・デスペラード組に完敗した。

 鈴木軍の2人は、テーピングで固められたSHOの腰に集中砲火を見舞うと、金丸が逆エビ固めで捕獲。さらにデスペラードが腰をイスで殴打し、再度金丸が逆エビ固めでとらえると、たまらずギブアップ。この屈辱的な結末に、改めてベルトを賭けての再戦が決定的となった。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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