平昌五輪スロープスタイルの楽しみ方 アイテム選定や優雅な空中遊泳に注目
技の難易度や表現力が評価対象
スノーボードのスロープスタイルの特徴は? 【写真:ロイター/アフロ】
平昌五輪のスロープスタイルコースはジブセクションが前半に、後半にはジャンプセクションが、それぞれ3カ所ずつ計6セクション連なっている。このコースを利用してスピードではなく、技の難易度や表現力を競う。
予選はひとり2本、決勝はひとり3本滑った中からベストポイントで争われる。ジブセクションでは滑るアイテムを自由に選定でき、ジャンプセクションでは主にスピントリックが繰り出されることになる。
腹を進行方向へ向ける回転がフロントサイドスピン、背を進行方向へ向ける回転がバックサイドスピンとなり、回転は横方向、縦方向、斜め方向など多種多様。スピントリックは最小単位にあたる半回転が180(ワン・エイティ)、1回転は360(スリー・シックスティ)と呼ばれ、3回転であれば1080(テン・エイティ)となる。
演技全体の印象、エアの高さ、難易度、完成度、多様性などの視点から採点される。ジブセクションでのアイテム選定に各選手の個性が投影され、ジャンプセクションでは回転数や難易度ばかりでなく優雅な空中遊泳に注目したい。
各ライダーの個性に注目
決勝ではSLSジャッジングと呼ばれる採点方式が導入され、2つのセクションに対して2名のジャッジを配置。各セクションはその2名による平均点が10点満点でつけられるため計60点、残り40点はオーバーオールジャッジングとなり、3名のジャッジによる平均点がつけられる。
このことから、予選は全体的な印象により決勝進出者をふるいにかけ、決勝では各セクションで繰り出されるトリックのディテールまでもが採点対象となるというわけだ。多様な滑走ラインが選択できるジブセクションでは、比較的トリックを仕掛けやすいアイテムで高難度な技を魅せるか、はたまた攻略しづらいアイテムで個性を発揮するか。
ジャンプセクションでもストレートに飛び出せるキッカーを利用して高回転スピンや回転軸が複雑な3Dスピンを繰り出すのか、またはキックと呼ばれる飛び出し口が斜めになっているものやヒップと称される上に飛び上がるジャンプ台で回転数を抑えながらも独自性を追求するか。各ライダーの個性に注目したい。