総勢5000人のキャンプ地が大移動 ダカールラリー2018の裏側

杉山友輝

現地取材で痩せて帰ったことはない…

マルコナでの夕食。エビのカレーソース串焼きとアボカドのサラダ。これにパスタがつきます。エビが出るのは珍しい。そして今年のご飯はさらに美味しい! 【写真:杉山友輝】

(3)レストラン
 かつて、アフリカで開催されていた時代の「パリ・ダカールラリー」の関係者によると「食事はまずい、とにかくまずい」という話をよく聞きます。私スギPの現地取材は南米からなので、比べようもないのですが、毎日食事は美味しいです。

 一度に1000人は入るケータリングセンターが設置され、朝食はパン、ヨーグルト、ハム、チーズ、フルーツ、コーヒー。夜は前菜、パン、パスタ、メイン、デザート、フルーツ、コーヒー、そしてワイン(ミニサイズ)かビールをどちらか1本選べるのです。メインは肉が多く、ボリビアでは鶏肉、アルゼンチンではビーフが中心となります。ちなみに昼は移動で食べらないことがほとんどです……。

 ペルーでは、「Chancho(チャンチョ)」と呼ばれる焼き豚の唐揚げのような料理や、大粒の白いとうもろこしが入ったサラダなどが出てきて、地域性を感じられます。

 今回で4回目の現地取材となりますが、痩せて帰ったことは一度もありません。毎日食べ過ぎです…。

並ぶトイレの奥に見える白い建屋がシャワー室。ちなみに、写真右にある大きいシルバーのものは、男性の小便専用トイレ 【写真:杉山友輝】

(4)トイレとシャワー
 トイレは移動式トイレが大量に用意され、清掃担当のスタッフが常に綺麗にしてくださいます。ところがあちこちに設置されないので、トイレから一番遠いチームは、歩いて15分くらいかかるので注意が必要です。5000人に対して、およそ30台と朝は「トイレ行列」が発生します。

 シャワーはテント張りの簡易シャワー室が設置。前述のように、基本「水」なのですが、気温が35度くらいあるので水が気持ち良いのです。ただし、太陽が落ちるとグッと気温が下がるので、陽があるうちに浴びないと寒さと、売り切れならぬ「水切れ」に泣かされることに……。

 ちなみに、5000人に対して簡易シャワーは男女合わせておよそ30台。女性の方はわかりませんが、混雑時には大柄な男たちがスッポンポンで順番を待ちます。

「同じ釜の飯」を食べる一体感が魅力

日野チームスガワラのキャンプ地の様子。スタッフや整備用トラックは先回りして整備場所を開き(通称:開店)、マシンの到着を待ちます 【写真:杉山友輝】

 このような毎日が続くキャンプ地。最も、選手やチーム関係者、われわれ取材陣にとっても目的はダカールラリーであって、キャンプ地での生活でないのは言うまでもありません。

 でも、ダカールラリーのコンセプトのひとつに「旅をしながらラリー競技をする」と言うのがあります。信じられないかもしれませんが、5000人が「同じ釜の飯」を食べて同じ場所で寝る、その一体感はダカールラリーならではだと思います。

 砂ホコリ舞うキャンプ地のテントではなく、ホテルで毎日を過ごしながらのダカールラリー。そんなダカールラリーだったら、こんなにも多くの人々を魅了することはなかったでしょう。

こちらはピスコのキャンプ地をドローンで撮影したものです。原稿中で出てきたマルコナのキャンプ地は常時強風でドローンが飛ばせませんでした 【写真:杉山友輝】

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著者プロフィール

J SPORTS プロデューサー。明治大卒業後、雑誌社勤務を経て、テレビマンユニオン「世界ウルルン滞在記」のディレクターを務め、2005年からJ SPORTSへ。新規番組立ち上げや国際大会などの映像制作を担当し、現在の担当競技は卓球・ゴルフ・モータースポーツなど。

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