小塚崇彦が夢中になったパラスポーツ体験 “車いすバスケ界の生きる伝説”は一流の技で魅了

宮崎恵理
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提供:TOYOTA

会場が沸いたレジェンドと日本の若きエースの対決

特別ゲストとして参加したアンダーソン選手が学生を直接指導。体験会と思えぬ高度な内容も、「楽しかった」との声が聞かれた 【スポーツナビ】

 午後に行われた車いすバスケットボールに参加したのは、カナダ出身のパトリック・アンダーソン選手と、日本の若きエース・古澤拓也選手、鳥海連志選手。アンダーソン選手は、シドニー、アテネ、ロンドンパラリンピックで金メダルを獲得し、一時は引退していたが17年に現役に復帰した車いすバスケ界のレジェンドだ。そこにシドニーパラリンピックの同競技にキャプテンとして出場した根木慎志さんも加わった。

 ゲストと一緒に、一般の大学生もレジェンドから車いすの操作の仕方やボール運びについて、直接手ほどきを受ける。車いすをプッシュしてターン、ボールをバウンドさせてキャッチしてシュートするなど、体験会とは思えぬ高度な内容に、学生らも夢中に。「普通のバスケとは違う面白さがあって、楽しかった」「アンダーソン選手のプレーはやっぱりすごい!」と、汗をかきながら感想を口にした。

鳥海選手(左)との1オン1ゲームで来場者を沸かせたアンダーソン選手 【スポーツナビ】

 その後は、日本選手対アンダーソン選手の1オン1や2オン2。3ポイントシュートの10本勝負、5点先取のゲームなどを展開。アンダーソン選手のシュートが次々決まる中、鳥海選手も片方の車輪を持ち上げてシュートする「ティルティング」などを披露し、吹き抜けの3階までいっぱいになったギャラリーからは大歓声が沸き起こった。

 ゲーム後、車いすに乗った7歳の男の子が近づくと、アンダーソン選手は「12歳の時に車いすバスケの選手にサインをもらって、僕は選手になった。だから、君もきっと将来は素晴らしい選手になるよ!」と、サインに応じた。

「アンダーソン選手と触れ合うことができる今回のイベントは、見に来てくれた人にも僕らにもとっても貴重な経験。間近でプレーのすごさを体感できました」(古澤)。「東京では絶対に倒さなくてはいけない相手。もっともっと上達します!」(鳥海)。アンダーソン選手は、「東京パラリンピックでは、日本対カナダの決勝戦になるはず。楽しみにしていてください」と語り、大勢のギャラリーの拍手に応えた。

大人から子供、健常者から障がい者まで、パラスポーツ体験を楽しむ人で会場は賑わった 【写真提供:トヨタ自動車】

 選手たちのデモンストレーションの合間には、一人で参加できるボッチャと車いすバスケットボールの体験型アトラクションを実施。ダーツのように得点が異なるエリアに3回ボールを投げるゲームに、小さい子どもから大人までが夢中になっていた。

 体育館ではない多くの人が集まる場所だからこそ、インパクトは大きい。トップレベルのプレーを気軽に見て、実際に参加して、パラスポーツの魅力を存分に楽しめる。新たなチャレンジとしてのイベントは、大盛況のうちに幕を閉じたのだった。

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著者プロフィール

東京生まれ。マリンスポーツ専門誌を発行する出版社で、ウインドサーフィン専門誌の編集部勤務を経て、フリーランスライターに。雑誌・書籍などの編集・執筆にたずさわる。得意分野はバレーボール(インドア、ビーチとも)、スキー(特にフリースタイル系)、フィットネス、健康関連。また、パラリンピックなどの障害者スポーツでも取材活動中。日本スポーツプレス協会会員、国際スポーツプレス協会会員。著書に『心眼で射止めた金メダル』『希望をくれた人』。

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