大井に君臨する伝説の場立ち・吉冨隆安 今年最後の大勝負!東京大賞典の軸はコレ
暮れの大一番で波乱を運んでくる使者はミツバ
レースレベルを考えれば、12月にJRAで行なわれたチャンピオンズCのレベルが高い。勝利したゴールドドリームこそ、直線で差し込んできたが、基本的には前残りの競馬だった。スローペースまたはスローに近いミドルペースといったところだろう。チャンピオンズCで1枠1番を引き逃げたコパノリッキーの3着はそれほど大きな価値はない。JBCスプリントを使っての参戦は、チャンピオンズCに向けて逃げるための秘策だったはず。もちろん、展開ハマる可能性もあるだろうが軸にはできない。
僅差の一番人気ながら、しっかりと人気にこたえて完勝したミツバ。写真は2017年マーキュリーC。(C)武田明彦 【netkeiba.com】
16年ブラジルCは横山典騎手が逃げの手で快勝させ、それまでの走りを一変させたこともある。差し追い込み馬といっても、本質的には逃げ馬の気性を持った馬かもしれない。つまり、群れを嫌い、束縛を嫌う孤高のタイプ。「後方で逃げている」のがミツバなのだ。M.デムーロ騎手がミツバの新しい面を出してくれることに期待したい。
サウンドトゥルーは展開に左右される脚質だが、その実力は本物。ここでも軽視できない一頭だ。写真は2017年JBCクラシック。(C)高橋正和 【netkeiba.com】
連覇がかかるアポロケンタッキーは、取消後の仕切り直しの一戦となる。写真は2016年東京大賞典。(C)高橋正和 【netkeiba.com】
ロンドンタウンもエルムSでチャンピオンズC2着のテイエムジンソクを破っている馬だが、帰国初戦とはいえチャンピオンズCで大敗と状態面に疑問が残る。予想自体は公開日ギリギリまで考えさせてほしいが、さまざまな状況を考えればミツバで軸不動という思いは変わらない。
東京大賞典以外にも、30日東京シンデレラマイル、31日東京2歳優駿牝馬と連日、重賞が行われる。17年最後の旅路が皆様にとって幸多くあらんことを祈るべく、先導氏または道先案内人なるべく、寒さに土埃舞ういつもの舞台で最後の闘争を繰り広げることを約束しよう。
末筆ながら、今年一年ゲート・インの競馬研鑽のご支援感謝申し上げ、新年は皆様に佳き年でありますように。
文:吉冨隆安
1947年鹿児島県生まれ。大井競馬場公認予想「ゲート・イン」主宰。大阪市立大学法学部中退後、さまざまな職業を経て大阪で起業するも、数年後に上京。一時期、学習塾講師と競馬予想屋を両立させていたこともある。平成元年から「ゲート・イン」の屋号で、大井競馬場で場立ち予想を行っている。つねに「競馬が市民の投資対象たる金融商品なら、僕の予想は商品説明である」との信念のもと、確固たる軸馬を1頭決める「実走着差」理論で、競馬との孤独な戦いを続ける。