宇野昌磨「今季最も大事な試合」 全日本フィギュア前日選手コメント

スポーツナビ
 フィギュアスケートの全日本選手権が21日、東京・東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで開幕する。20日は会場で公式練習が行われ、宇野昌磨(トヨタ自動車)や宮原知子(関西大)らが調整を行った。

 今大会は来年2月に行われる平昌五輪の最終選考会を兼ねており、この試合の結果で出場選手が決まる。出場枠は男子が「3」、女子が「2」。昨季の世界選手権王者の羽生結弦(ANA)は欠場するが、男女ともにし烈な戦いが予想される。

 以下は、選手たちのコメント。

宇野昌磨(トヨタ自動車)

宇野は全日本選手権を「今季最も大事な試合」と位置づけた 【坂本清】

「自分に集中したい」

(ここまでの調整は)今日のジャンプの調子は良かったですけど、プログラムを通してやっていないので、プログラムでの調子は分からないです。うまくかみ合えばいいなと思います。気持ち的には今季の試合の中では一番ピリッとした気持ちで現地入りしました。(今年の全日本は)自分自身がやりたいこと、自分自身がやらなければいけないことをできるように、自分に集中したいと思っています。いつもは人の演技を見たり、去年も皆さんと過ごす時間が長かったんですけど、他の国際試合と同じように、自分の時間を作って、自分に集中したいと思っています。

 初戦以外、自分の演技ですごく良かったと思える演技はしていないので、そう思えるような演技をしたいと思うんですけど、目標としてはノーミスをしたいと思っています。あとは自分が失敗しても最後まであきらめず、どんな演技であっても自分が満足できる演技をできたらと思っています。(五輪への思いは)日にちがどんどん近づいて、この試合で決まります。今季最も大事な試合とシーズンが始まる前に言いましたけど、その気持ちは変わらないです。他の選手も頑張ってきたと思いますが、僕も頑張ってきたので、自分の実力を発揮して、ピリッとした試合にしていきたいと思います。

田中刑事(倉敷芸術科学大)

田中は、ケガで欠場する羽生について言及。「早く同じ氷に立ちたい」と語った 【坂本清】

「練習してきたことをすべて出したい」

 中国杯から期間は空いたんですけど、全日本までの練習スケジュールを全部組んで、調子を保つ、追い込む期間を考えて練習してきました。(4回転の状態は)徐々に上がってきていて、シーズンで一番良い状態です。それは調整よりも追い込む期間があったからこそだと思います。(細かくスケジュールを立てたのは初めて?)いつも全日本前に何かしら試合があったのですが、今回は期間が空いたので、それは不安でもありましたし、時間が早く過ぎていく感覚がありました。

(五輪の出場権を勝ち取るために必要なものは)今持っているものを出し惜しみせず、出し切れば結果は付いてくると思うので、練習してきたことをすべて出したいというのが今の気持ちです。(羽生が欠場するが)今季はお互いにケガがあったので、連絡は取り合っていました。「全日本で一緒に滑れたらいいね」と1カ月前くらいに話したのですが、それが叶わなかったのは僕も寂しいですし、早く治して、氷の上で元気な姿を見せてほしいなと思います。友人としてもスケーターとしても尊敬できる部分はたくさんあるし、もっと彼の演技を見て、僕も勉強したいと思っていたので、早く同じ氷に立ちたいなというのはあったのですが、今回は自分の演技に集中していきたいと思っています。

無良崇人(洋菓子のヒロタ)

「ここで出し切れなかったらそれまで」。無良は覚悟を持って、全日本選手権に臨む 【坂本清】

「ここで出し切れなかったらそれまで」

(練習は)どれだけ数をこせなるかを重点的にやってきましたし、スケートカナダが終わってからスケートアメリカまでに徐々に良くなってはきましたけど、まだまだ体もできあがっていませんでした。そこから短い期間ですけど、できる限り練習を増やしたり、細かいところまで意識を持ってやれるように練習をしてきました。氷の感覚も含めて、公式練習でしっかり調整できればと思っています。

(集大成になる大会だが)ここで出し切れなかったらそれまでだなという気持ちもありますし、どれだけ自分が今年の全日本で最大限力を発揮できるのかということも、グランプリ(GP)シリーズが終わってから、あらためて考え直す必要がありました。あとは今回の試合が始まる瞬間にスイッチが入るかどうか、自分が怖気づかないかだと思います。

村上大介(陽進堂)

肺炎のため11月のNHK杯を欠場した村上だが、現在は「100パーセントの状態」と回復をアピール 【坂本清】

「100パーセントの状態で来られた」

 今日はジャンプの調整や、プログラムの要素を一つひとつ調整してできたので、明日もフリープログラムを通して、感覚をつかみたいと思います。(急性肺炎でどれくらい休んでいたのか?)2週間半くらい寝込んでいました。人生で初めて肺炎になったので、全然分からなくて、東日本選手権が終わったその日の深夜の便で米国に帰ったんですけど、その移動中に体調が崩れていって、ロサンゼルスに着いたら熱っぽくなっていました。それでお医者さんに診てもらったら肺炎と診断されました。

(東日本選手権のときの体調は?)そこまでにすごく練習していたのもあって、体としても疲れていたのはありました。それで東日本選手権で力を出し切って、すぐに飛行機に乗ったので、負担がかかったのかもしれません。でも今は全日本選手権に100パーセントの状態で来られたし、練習もしてきたので、その成果を出したいと思っています。

(4回転は)東日本選手権のときはフリップを練習していたんですけど、全日本選手権は五輪が懸かっているので、ここでやるのは難しいと思いました。今回はサルコウだけです。

友野一希(同志社大)

「五輪を目標に4年間やってきた」

 今日練習してみて、調子も悪くなかったですし、体も動いていました。全力で自分の実力を出し切るというのが目標ですし、結果は後から付いてくると思うので、どうなるか分かりませんが、しっかり自分の実力を出せたらと思います。

 自分のパーソナルベストが今年のNHK杯の231(231.93点)で、まだまだ伸びしろもありますし、240〜250点は狙っていきたいなと。また、NHK杯で見つかった反省点を生かしたいと思います。

(五輪が懸かっている全日本は雰囲気が違うか?)4年前は五輪に関わるような選手でもなかったですし、会場のさいたまスーパーアリーナの雰囲気は、すごかったなというのは覚えています。今回は実際に五輪を目標にしてやってきたので、4年間でかなり成長したと思うし、それで感じるものも4年前と違ってくるのかなと思います。

日野龍樹(中京大)

「人生が懸かった試合」

(公式練習のグループについて)最初はちょっと「恐れ多いな」という気持ちがありながら入ったのですが、途中から自分も力どおりのジャンプを出せるようになってきたので、だいぶ楽にはなりました。このグループで逆に良かったなと思ってます。(具体的には)皆さん目標が同じ人が多いので、僕自身もその場にいたほうがよりそういう意識は高まりますし、包み隠さずいうと五輪のことですけども、今日より一層そういう気持ちになったので、あらためて良かったと思います。

(この大会は自身にとって)一番大事ですね。この試合でスケート人生を終えるわけではないですけど、ここまで人生が懸かった試合はなかなかないです。

1/2ページ

著者プロフィール

スポーツナビ編集部による執筆・編集・構成の記事。コラムやインタビューなどの深い読み物や、“今知りたい”スポーツの最新情報をお届けします。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント