久光「昨年のこのレース以降はＧIも含めて全く崩れていない割に人気のないヤマカツエースですが、有馬記念４着と大阪杯３着はともに展開不向きの中で差し込んだ好内容でしたし、人気ほどの実力差はないはずです。人気のない理由は、昨年も含めて東京では３戦全て大敗しているためでしょうが、いずれも高速上がりのヨーイドン競馬で自身のキャラに沿わないレースでしたし、昨年のこのレースも外枠が応えたもので、東京２０００ｍが合わないわけではありません。先週の降雨下での競馬で傷んだ馬場も、この馬に大きな追い風。加えて３枠５番の絶好枠なら勝負できる条件は揃ったと言えますよ」

小島「前走の札幌記念は自ら動いて後続の目標になった分の３着ですし、大阪杯の内容や金鯱賞の変則連覇を考えれば、僕もヤマカツエースは２０００ｍならＧIを取れる器だと思います。大一番に強い池添騎手ですが、相手が揃って人気が落ちて気楽に乗れそうなのもいいですよね」

須藤「僕は、これまた実力を考えれば不当な人気薄に思えるシャケトラを。これまで崩れたのは、初距離で折り合いを欠いた春の天皇賞だけで、前走の宝塚記念にしても前崩れの展開となった中で先行して唯一掲示板に残った、強い内容の４着だったと思います。その前走で渋った馬場は難なくこなせていましたし、大型馬の割に鉄砲も利くタイプですから、休み明けを嫌う必要もありませんよ」

デスク「俺の◎は、なかなか名前が挙がってこないなぁ……」

瀬古「春のＧIでは結果が出なかったミッキーロケットですが、陣営はけっこう色気があるようでしたね。和田騎手も“勝負どころで急がすと右にモタれる癖があるけど、左回りで直線が長い東京コースは合うイメージがある。春のＧI２戦より、今の方が体調もいいと思う”と、満更でもない様子でした」

広田「復活が待たれるマカヒキですが、前走については“出負けしたことでテンから追っつける形で脚を使わされてしまった。直線でも伸び負けしたが、それでもコンマ３秒差なら着順ほど悪い内容ではない”と、陣営は振り返ってました。鞍上も２度目となる今回は、実戦でのある程度のイメージも見えてきたようで、本来のジックリと脚を溜める競馬になるはずです。先週のような極端な道悪では厳しいと思いますが、キレ味勝負になれば変わる余地は十分にありますよ」

デスク「う〜ん……、まだ出ないから言っちゃおう。誰も◎は打ってないとはいえ、印はソコソコ付いているサトノアラジンなんだが……」

那谷「前走の毎日王冠は、余裕を持たせた仕上げで斤量も５８キロ。距離も久々だったにもかかわらず僅差の２着だから、前哨戦としてはケチのつけようがない内容だな。元々が叩き良化タイプで“確実に状態は良くなっています”と、川田騎手も大きな上積みがあることを強調していたよ。ただ“良馬場なら間違いなく勝ち負け”と言う池江寿師が“雨馬場では大幅な割引き”と、天を恨んでいたんだ」

デスク「そこは俺も承知の介だけど、先週の菊花賞だってあれほど“道悪は不安”という声が高かったキセキが何のそのの走りを見せたわけだし、相手が抜けて馬券は外したけど軸にしたのは間違いじゃなかったからな」

那谷「うん。実際、３走前の京王杯が道悪で９着に敗れているけど、レースリプレイをよく見ると、直線で狭いところに入って、最後もけっして脚は上がっていないしノメっているようにも見えないんだ。敗因としては、狭いところでエンジンが掛からなかったためとも言えるよ。枠は実績のある外目を引けたし、俺もノーチャンスだとは思ってないから、安心してよ、デスク」