スワンSの馬券攻略は将来性を見抜く目 波乱傾向、外枠有利データにも注意

JRA-VANデータラボ

スワンS出走馬の人気別成績(過去10年)

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表4は人気別の成績。馬券的には波乱傾向のレースだが、荒れ方としてはやや独特だ。二けた人気馬が絡むケースは案外少ない。1番人気が弱く、中位人気同士の組み合わせで決まるケースが多々ある。元々オッズ的にもバラつきがあり、難しい傾向だが、狙いどころは絞りにくい。

過去10年のスワンS好走馬

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後に過去10年のスワンS好走馬を記しておく(表5参照)。前走レースとしては安田記念とスプリンターズSが多い。ただ、前走安田記念組は13年以降のここ数年に集中している。それ以前はスプリンターズS組の好走が多かった。それ以外のレースではオープン特別のポートアイランドSからの出走馬が多い。しかし、実際の好走馬はかなり多様。芝1200mのレースもあればダートグレードもある。1600万クラス組はやや苦しいが、3着ならば好走馬が出ている。高松宮記念や日本ダービーからの直行もある。前走レースに関しては、どこからでも狙えると見た方がいいだろう。

 過去の実績としては同年の東京芝1400〜1600mのG2以上で好走実績がある馬に注目したい。具体的には京王杯SCやNHKマイルC、安田記念で好走していた馬が多い。昨年優勝のサトノアラジンや、アルビアーノ、ミッキーアイルなど、近年の勝ち馬が該当する。当日上位人気になるタイプかもしれないが、連軸としては有力視できるだろう。

 あとは前年の阪神Cや同年の阪急杯好走馬にも注目。同じ1400mのレースとして関連性が高い。07〜09年にかけては多数の好走馬が出ている。近年は出ていない点がやや気になるが、レースレベルとしては変わっていないのでいつまた好走馬が出てもおかしくはないだろう。

 あとは冒頭で述べたように後にG1で好走する馬が多く出ている。スーパーホーネットやキンシャサノキセキ、グランプリボス、コパノリチャード、そして近年はミッキーアイル、サトノアラジン。本番のマイルCSだけでなく、その後のスプリントG1や、安田記念の好走馬が出ている。マイル以下のレースで将来性がある馬を見抜けるかも予想のカギになるだろう。

文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。

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