ランに必要な股関節の持久力を強化! キック系レッスンで力強い走りを
片脚でキック! 軸足の踏ん張りが大事!
キックする脚ではなく、軸足の踏ん張りに気を付けよう! 【写真提供:内田英利】
上げている脚は、ランニングをする時にも必要となる股関節の動き……曲げる・伸ばす等を大きく動かす事でキックすることになりますが、もう一方の踏ん張っている軸足は、股関節が本来持つ複数の動き……曲げよう! 伸ばそう! 内側に捻ろう! 外側に捻ろう!という、蹴る時に発生する様々な動きを「我慢する」事で踏ん張っています。その“踏ん張り力”を無意識にたくさん使う事が、股関節を支える大本の筋肉を刺激し、持久力をアップさせる事になるのです。
“踏ん張り力”が増す事で、走っている時に、身体が左右にブレずに、エネルギーロスをしない“省エネ走り”が出来るという訳です。
色々な角度で蹴る時には、上半身……胸周りの“捻り”を意識して!
胸回りの“捻り”を意識しよう! 【写真提供:内田英利】
腰は回らない! 【Getty Images】
“胸回し”を身に付け、バテないランナーに! 【写真提供:内田英利】
残念ながら、腰回りの骨(腰椎)は、左右に約5度ずつしか動く事が出来ず、左右を合わせても、約10度しか回す事ができないのです。しかし、胸回りの骨(胸椎)、特に腰に近い骨は、何と約30度以上も動き、左右併せて約70度も回す事ができるのです。
キックの動きをする際にも、腰を捻るのではなく、胸を回すイメージで蹴ると、バランスが上手に取れて、キックする脚にも、支える軸足にも力を入れる事が出来ます。
ランニングは、腕を振って前に進んでいるのですが、ただ単に腕を振っているだけでは、上半身が突っ立ってしまい、上半身で空気抵抗を強く受ける事で、エネルギーロスになります。しかし、胸を回すイメージで腕を振ると、風の抵抗が上手く左右に逃げて、エネルギーロスが少なくなります。また、肩が自然と前に出て、股関節を使ってスムーズに脚が前に出て、力強い走りに変わります。加えて、脚の疲労を上半身が助けてくれる事も少なくないのです。ですから、この“胸回し”が出来るランナーは、上りでもバテる事なく、スピードを一定に保ったまま、走れている事が多いのです。
膝蹴り 【写真提供:内田英利】
それでは、ランニングのパフォーマンスを上げるための具体的なキック系トレーニングとして、3種類のキックをお勧めします。
1種類目は、股関節を曲げながら膝を曲げたまま蹴る「膝蹴り」。
前蹴り 【写真提供:内田英利】
回し蹴り 【写真提供:内田英利】
回数は、左右それぞれ、20回を1セット行えば充分なトレーニングになります。トレーニングを継続していくと、股関節周辺の筋肉が強くなってきます。ランニングの時に、脚が運びやすくなってきたと実感できるようになれば、セット数を2セット、3セットと増やしてみましょう。
次回は、ランニングのパフォーマンスを上げる、エアロビクス・トレーニング第3弾……ポールウォーキングのポイントを紹介しますので、お楽しみに!
内田英利(うちだ・ひでとし)
取材協力 コアフォレスト
※渋谷マークシティー出口徒歩0分
TEL&FAX:03-6455-0612
※リンク先は外部サイトの場合があります