早稲田実・清宮幸太郎が描くプロの姿 決断の理由は「より野球に集中するため」
王貞治氏の868本塁打と世界を意識
プロ入り後は同校OBで同じ左打者でもある王貞治氏の868本塁打を「目指すべき数字」と口にした清宮 【写真は共同】
「プロは厳しい世界で苦しむことはあるかもしれないですけど、やってきたこと、スタイルも含めて自分を信じてやってきた。正しいと思ったことを左右されずに貫いていければいい」
会見でたびたび、口にしたのが現在、福岡ソフトバンク球団会長で早稲田実OBでもある王貞治さんのことと、夢はメジャーで世界を意識していることだ。
「理想の選手像は王さん。王さんのような人間になりたいし、野球人としてもそうありたい。(王さんの持つ日本記録の)868本のホームランは目指すべき数字。そんな使命感がある」
また、リトルリーグでアメリカで世界一になったことが夢の始まり、という。先日のインタビューではU−18でアメリカや外国人とゲームをして、楽しかったと振り返る。
「彼らは体も大きいし、スイングも速い。こっちの雰囲気も好き。いつかメジャーでやってみたい」
今日もまだ「一つ一つ目の前のことをクリアしていくことで夢はつながっていくと」と語っている。
プロ12球団は「どこでもOK」
清宮は会見でプロのあるべき姿として「お客さんに応援してもらって、お客さんを感動させてあげられるような選手」と語った 【写真は共同】
和泉監督はプロ側に何を伝えるか問われて、「野球が大好きな野球少年ということ。自分のことよりもチームのことを考える人間。練習もよくするし、他人の話もきちんと聞いて消化もできる」と人間性に触れた。ただ、「すぐにプロに行って何でもできると思っていない。それは本人もよくわかってるはず」とも付け加えた。
10年、20年に1人のスラッガーとも言われる。でも、プロでどうなるかというと誰もわからない。どの選択をした方が良かったかなんて、正解はないのである。本人が正解を導くために努力するしかない。
ドラフトの最多入札は1989年の野茂英雄(新日鉄堺)、90年の小池秀郎(亜細亜大)の8球団だった。清宮がプロ入りを表明すれば「12球団1位なんて言うこともあり得る」という球界関係者も一時期はいるほどだった。
プロの12球団は「どこでもOK」と言ったが、「厳しく指導していただけて、成長させてくれるところ」とあえて望んだ。
そして最後に「高校時代もお客さんがたくさん足を運んでくださって応援してくださって力にもなった。プロでも応援してもらえるように。そしてみんなを幸せにしたり、感動させてあげられるような選手。それがプロのあるべき姿だと思ってる」と結んだ。
高校通算本塁打最多と言われる111本の数字を引っ提げて、プロに挑む。