秋競馬の開幕を彩る京成杯AHを展望 好走率データ揃ったブラックスピネル

JRA-VANデータラボ

前走クラスと斤量増減の関係

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表4は「前走クラスと斤量増減の関係」を示したデータ。上から順に見ていこう。前走G1出走のケースでは斤量が「今回減」となる馬が大半を占めており、その成績も優秀。「増減なし」だった唯一の馬もしっかりと2着に入っている。「今回増」は該当例がないものの、前走G1出走で「今回減」か「増減なし」なら好走する確率は高そうだ。前走G2・G3出走の場合は、「今回減」で勝ち馬2頭を送り出し、「増減なし」だと2着まで、「今回増」だと3着までとなっている。前走オープン特別出走の場合は、「今回増」だと5走して3勝と結果を出している一方、「増減なし」は好走例がなく、「今回減」も28走で2着が1回あるのみと苦しい。前走が条件戦だった場合はすべて「今回減」となり、7走して2勝と悪くない成績が残っている。

前走着順と斤量増減の関係(前走オープンクラスのみ)

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表5は「前走着順と斤量増減の関係」を示したデータ。なお、このデータでは前走でオープンクラスに出走していた馬のみを集計対象とし、条件戦だった馬は除外している。まず、前走1着の場合は「今回増」なら【3.0.1.1】とかなりの確率で好走している一方、「増減なし」と「今回減」ではすべて凡走に終わっている。前走2、3着の場合は全体に低調な印象もあるが、傾向としては「今回増」は3着まで、「増減なし」は2着まで、「今回減」は1着までとなっている。前走4、5着の場合は、「今回減」の好走例が皆無。このケースでは「今回増」か「増減なし」のほうがいいようだ。前走6〜9着の場合は、「増減なし」か「今回減」、前走10着以下の場合は「今回減」であることが巻き返しの条件となる。

休み明けn戦目別成績

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表6は「休み明けn戦目別成績」で、ここでは中9週以上での出走を休み明け初戦と定義している。これを見ると、京成杯AHでは休み明け初戦や休み明け2戦目のフレッシュな馬の好走率が高い。迷った場合は使い込まれていない馬を狙うと好結果を得やすいのではないだろうか。

結論

表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 今年の京成杯AH登録馬に関して、前走クラスおよび前走着順と斤量増減の関係、加えて休み明け何戦目にあたるかを表7にまとめた。

 好走率が高い前走G1出走馬は、ブラックスピネルボンセルヴィーゾの2頭。どちらも斤量は「今回減」で、休み明け初戦となるローテーションもいい。「今回減」の場合、前走10着以下のほうが前走2、3着よりかえって好走率が高いため、本稿ではブラックスピネルをより重視してみたい。

 前走G2・G3出走馬の場合、「今回減」は1着まで、「増減なし」は2着まで、「今回増」は3着までという傾向だった。この組で「今回減」となるのはトーセンデュークのみ。前走11着と大敗したものの、「今回減」なら巻き返しの可能性はある。この組で「増減なし」の馬は8頭と多い。そこで、前走着順が9着までに収まっていて、なおかつ休み明け初戦か2戦目となるアスカビレンガリバルディロサギガンティアの3頭を挙げておきたい。この組で「今回増」だと3着までとあまり相性はよくないが、マルターズアポジーは勝率が非常に高い「前走1着で今回増」でもあり、今回も侮れない存在となりそうだ。また、ダノンプラチナの「前走5着で今回増」は連対例こそないものの、3着に入る確率は高いパターンとなっており、こちらもマークが必要だろう。

文:出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

2/2ページ

著者プロフィール

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント