札幌記念に潜む落とし穴とは? スポニチ記者“穴の万哲”が解説
今年の札幌記念の勢力図は
2017年金鯱賞を6番手から差したが、脚質に一抹の不安が残るヤマカツエース 【netkeiba.com】
強敵相手の前走・大阪杯3着でGI常連に定着した。その後は早々と宝塚記念を見送り、札幌記念に照準を定めてきた点では好感は持てる。ただ、問題は脚質。昨冬あたりから、以前より1列後ろに引いた位置で結果を出している。すなわち、昨年12月金鯱賞(1着)の最終4角が7番手、有馬記念(4着)が同12番手、今年3月金鯱賞(1着)が同6番手、大阪杯(3着)が同7番手。中団からの差しが完全に定着し、今後は天皇賞・秋の大目標を控えている身。突然、小回りコース仕様の先行策に転じられるか。乗り慣れている鞍上・池添の戦略如何に懸かっている。
■エアスピネル(路線転換がどう出る)
昨年の3冠ロードを皆勤。今回と同じ2000mの皐月賞4着。ダービーでも見せ場十分の4着。そして、菊花賞3着。今年は年初からマイル路線を歩んできたが、距離適性自体は全く問題ない。鍵はマイルでも行きたがる気性面。前走・安田記念(5着)は後方位置で脚をためた直後の2F延長。前の位置で折り合ってしまえば楽勝シーンもある半面、壁をつくりにくい大外13番枠が果たしてプラスになるかは微妙。ただ、鞍上はルメール。あっさり制御してしまう可能性もある。
■サウンズオブアース(海外遠征帰りの休み明け)
昨秋のジャパンC(2着)でも本命に推し、能力的には高く評価している1頭。ただ、休養前のドバイシーマクラシック(6着)の全く伸びなかった内容には不満は残る。調整の難しい海外遠征帰りの休み明け。しかも、これまでは2400m以上の長距離戦を主戦場にしてきた。スタミナが問われるシビアな流れになれば、勿論浮上の可能性はある。展開面をどう読むか? 一見、スロー〜平均ペースが濃厚な顔触れだけに過大評価はしにくいのも事実。
対して「Bパターン」の今夏稼働組には展開の恩恵も味方に付けられるアドバンテージもある。
■タマモベストプレイ(夏王者を懸けて全力投球)
函館記念2着でサマー2000シリーズでは5ポイントを獲得。現在、首位のタツゴウゲキは11ポイント。ここ1着で12ポイントを上積みすれば、計17ポイントで夏王者の確率はかなり高くなる。勝負気配では明らかにGI常連組より上だ。その函館記念。確かに重馬場がプラスに働いた面もあるが、好位付けから盛り返すように伸びた内容は同形態の札幌に直結する。もともとが札幌巧者。長距離を主体に使ってきたが、母系からは血統背景はむしろ中距離型。函館記念(14番人気)同様、人気が沸騰しないのなら狙う手も。
■アングライフェン(洋芝適性秘めて)
こちらも函館記念4着(3ポイント)で逆転で夏王者の資格を持っている。2月京都記念(5着)ではマカヒキと0秒1差の実績。2走前の巴賞(2着)でも小回りでも機敏に立ち回っている。ゴールドシップに代表されるように、ステイゴールド産駒の洋芝適性は高く、地味なキャラを考慮すると、オッズ的には狙い頃か。
■マウントロブソン(鞍上モレイラ込みで不気味)
こちらは2000シリーズ対象外の福島テレビオープン(1着)からの参戦だが、休み明けで完調手前の状態で勝ち切った点が光る。昨春の皐月賞(6着)では当時4着エアスピネルとは0秒2差。前走が3番手好位付けからのひと伸びで、札幌記念には直結する勝ち方でもある。モレイラ騎乗で、人気が跳ね上がってしまう恐れはあるが、極端な高騰がなければ狙ってもいい。
“万哲”でおなじみスポニチ小田哲也記者 【netkeiba.com】
スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。04年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、09年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。逆に短距離戦は苦手? 15年は宝塚記念で3連単52万馬券がヒット。一度世話になるとしつこく追いかける癖があり、ダイワメジャーは皐月賞(10番人気)から引退戦の有馬記念(3着)までほとんど本命だった。馬券相性は京都、阪神が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。
【予想方法】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う。当然、単勝か3連単1着固定が好きな馬券。SS後継種牡馬全盛時代だけに、血統は母系重視。当日予想ができない新聞記者の宿命で、週中の水曜あたりからは「ウェザーニュース」を何度も何度もチェックするヘビーユーザー。特に週末は天気予報を見すぎて、眠りが浅くなることも。