“史上最大の下克上”から7年――元ロッテ・金泰均の今
メジャー記録を上回る連続試合出塁
2010年に「史上最大の下克上」と言われたロッテの日本一に大きく貢献した金泰均。現在、韓国プロ野球ハンファでプレーする。今月はメジャー記録を超える86試合連続試合出場も記録した 【写真:ハンファイーグルス】
金泰均は2010年から2年間、助っ人外国人として千葉ロッテでプレー。在籍1年目には141試合、打率2割6分8厘、21本塁打(チーム1位)、92打点(チーム2位)を残し、「史上最大の下剋上」と言われたレギュラーシーズン3位からの日本一に貢献した。
あれから7年――今年、時の人となった金泰均の現在地を追った。
チームのことを考える真摯な姿勢
「あの頃はチームよりも自分のことを中心に考えていたと思います。もちろんチームのことをまったく考えていなかったわけではありませんが、自分より年上の選手もいたので、チームへの意識は低かったです」
助っ人として結果が強く求められるプレッシャーの中、異国のリーグでチームのことまで考える余裕がなかった28歳の金泰均。しかし30代半ばを迎えた今、気持ちに変化が生まれている。
「多くの先輩たちがチームにいた昔とは違って、今は自分がベテラン選手としてまずチームのことを考えるようになりました」
金泰均は派手な言動やポーズでナインを鼓舞することはない。しかしその真摯な姿勢はチーム全体に伝わっている。今季ハンファ入りした中島輝士打撃コーチは金泰均について、「真面目にたくさん練習するので、若い選手の刺激になっています。チームの中心バッターとしてチャンスに強く、信頼に応えられるバッターです」。