イングランドの丘陵地帯を走るレース! ご当地トレランに当日エントリーで参加してみた

南井正弘

【写真提供:南井正弘】

日本のトレイルレース事情とは対照的

 6月に入るとオンロードのレースは少なくなり、逆にトレイルのレースの開催が増えてくるが、ここ最近トレイルランニングの人気上昇に伴い、オンロード同様に大会へのエントリーも一苦労。先着順のクリック合戦、高倍率の抽選に加えてトレイルレースの場合、一定の保有ポイントが無ければエントリーすることができないレースも存在する。

 そんな日本のトレイルレース事情と対照的だったのが、昨年11月に出走したイングランドのシェパーズスカイラインフェルレース。当日に6ポンド(約852円)を払えば誰でも参加することが可能だ。そんな参加までのハードルの低いイングランドのレースをレポートする。

フェルランニングとは何か?

レースへのエントリーは当日6ポンドを払って申込書に記入するのみ。 【写真提供:南井正弘】

 シェパーズスカイラインフェルレースは、イングランドは西ヨークシャーの小都市であるトッドモーデン(最寄りの大都市であるマンチェスターから27km)で行われるフェルランニングのレース。フェルランニングとはイングランド独自の丘陵地帯を走るランニングの一種であり、当地ではかなりポピュラー。子供の頃から慣れ親しんでいるランナーも少なくない。レース前日にイングランド湖水地方の丘陵地を走ったが、これが走りづらいのなんの、斜面はぬかるんだ泥んこの土と岩が混じっていて、日本やアメリカの山道を走るのとは大きく違うことを実感した。しかしながら公式サイトによるとレースの距離は10kmで高低差は350mだから、それほど辛くもないだろうと思っていたが……。ちなみにフェルランニングのレースは一目でそのレベルがわかるように、下記のように明確にカテゴライズされる。

<傾斜と路面に関して>
■カテゴリーA
平均で1Kmあたり50m以上は上ること
舗装路の割合が20%を超えないこと
傾斜の部分が最低で1.5Kmあること

■カテゴリーB
平均で1Kmあたり25m以上は上ること
舗装路の割合が30%を超えないこと

■カテゴリーC
平均で1Kmあたり20m以上は上ること
舗装路の割合が40%を超えないこと
少しでも高原の路面を含むこと。

<距離に関して>
■カテゴリーL
レースの距離が20Km以上

■カテゴリーM
レースの距離が10Kmを超え20Km未満

■カテゴリーS
レースの距離が10Kmまで

レース前に入念にウォームアップするランナーたち。 【写真提供:南井正弘】

スタート直後は急な登りということもあり渋滞が続く。 【写真提供:南井正弘】

丘陵地の景色はキレイだが、なかなかタフなコースだった。 【写真提供:南井正弘】

 というわけで、今回のシェパーズ スカイライン フェルレース2017はBSカテゴリーとなり、傾斜は中程度で距離は短めということで、自分のそばのランナーが「次のレースはALカテゴリーだからシビアになりそうだ」というようなことをエントリーエリアで話していたように、ローカルランナーの間ではこのカテゴリー区分はかなり浸透しているようだ。

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著者プロフィール

フリージャーナリスト。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツブランドのプロダクト担当として10年勤務後、ライターに転身。スポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズを得意分野とし、『フイナム』『日経トレンディネット』『グッズプレス』『モノマガジン』をはじめとしたウェブ媒体、雑誌で執筆活動を行う。ほぼ毎日のランニングを欠かさず、ランニングギアに特化したムック『Runners Pulse』の編集長も務める

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