【ボクシング】階級を超えた“世界最強”は誰か!? PFPランク・トップ10を紹介
4位:ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)
まさかの敗戦でPFPランクを落としたロマゴン。再び上昇するには、まずはリベンジを確実に遂行するしかない 【Getty Images】
29歳、47戦46勝(38KO)1敗
デビュー以来46連勝を続けてきた通称“チョコラティート”。その伝説が崩れたのは3月18日のことだった。この日、伏兵シーサケット・ソールンビサイ(タイ)に判定負けを喫し、ニカラグアの英雄はついに王座から陥落した。
シーサケット戦も実際にはゴンサレスに分があったと見る関係者が大半で、主要媒体のPFPランキングでも依然として上位にランクされてはいる。例えそうだとしても、母国史上初の4階級制覇王者がタイトルを失い、商品価値が大きく低下したことに変わりはない。10代後半から戦い続け、体力的にも全盛期を過ぎたことも否定できまい。この敗北で、世界的に待望された井上尚弥(大橋)とのドリームマッチの実現も難しくなってしまった。
そんなゴンサレスにとって、遠からず挙行されるであろうシーサケットとの再戦はキャリアをかけた大一番になる。勝ってタイトルを奪還し、失われたプライドを取り戻せるか。勝機は十分だが、被弾も増えた過去数戦を見る限り、楽なファイトにはならないだろう。しかし、難しいからこそ、その仕事を成し遂げたことで得られる賞賛も大きいはずである。
5位:テレンス・クロフォード(米国)
随一の“スピードスター”クロフォード。近い将来には“レジェンド”パッキャオとの対戦も噂されることになるだろう 【Getty Images】
29歳、30戦全勝(21KO)
“メイウェザー以降”では随一のスピードスター。無敗レコードを保ち、すでにライト、スーパーライト級の2階級を制覇してきた。序盤で相手の戦力を見抜き、中盤以降に仕留めるスタイルは“Surgeon(外科医)”と称される。パンチャータイプではないが、相手のダメージを見て取った際の詰めの鋭さも抜群。負けにくいことでは現役有数で、今後しばらく無敗レコードを保つ可能性は高い。ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)とともに、クロフォードは近未来のPFP1位に最も近い位置にいるボクサーだと言っていい。
5月20日にはフェリックス・ディアス(ドミニカ共和国)との防衛戦で、殿堂マディソン・スクウェア・ガーデンの大アリーナに初登場。相手も08年の北京五輪で金メダルを獲得した強豪だが、この大舞台で強さをアピールしておきたいところだろう。さらにその先には、7月2日にオーストラリアで防衛戦を行う6階級制覇王者マニー・パッキャオ(フィリピン)との世代交代戦の実現も期待される。同じトップランク傘下の伝説的サウスポーを乗り越えた時、クロフォードの名前も真の意味で全国区になるに違いない。
6位:ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)
今夏に唯一の黒星をつけたサリドとの再戦が有力視されているが、今後さらに注目度が上がってくる選手の1人だろう 【Getty Images】
29歳、9戦8勝(6KO)1敗
リング誌のPFPリストでは6位と順位は意外にも低いが、最近ではロマチェンコをトップに据える関係者が増えている。過去3戦ではローマン・マルチネス(プエルトリコ)、ニコラス・ウォータース(ジャマイカ)、ジェイソン・ソーサ(米国)と王者級とばかり対戦し、すべて完璧な内容で中盤ストップ勝ち。スキル、スピード、ディフェンス技術の超ハイレベルでの融合は驚異である。“史上最高のアマチュア”と呼ばれた現代のスーパーボクサーは、プロでもキャリア9戦目で覚醒したと言っていいだろう。
今後、まずは夏にもかつて唯一の敗北を喫したオルランド・サリド(メキシコ)との再戦が有力。その後にはWBO世界ライト級王者テリー・フラナガン(イギリス)、WBC世界ライト級王者ミゲール・アンヘル・ガルシア(米国)といった1階級上の無敗王者たちとの対戦も期待される。
現時点でこの選手に足りないのは、エリートレベルの相手を下した実績だけ。今年〜来春までにさらに大きな舞台に立てさえすれば、1年後にはPFPリストでも1位に浮上している可能性は十分にある。