イチロー3000安打セレモニーの裏側 功績は手渡しサイズに収まらず
少ないスタメン機会が続く今シーズン
セレモニーではソフトバンク球団の王会長もメッセージを寄せた 【写真は共同】
皮肉なもので、イチローが今、先日対戦した古巣のマリナーズにいれば、おそらくレギュラーではないか。
2012年7月にマリナーズからヤンキースへトレードされたとき、「20代前半の選手が多いこのチームの未来に、来年以降、僕がいるべきではないのではないか」とイチローは話し、世代交代を自ら受け入れた。しかし、それ以来、マリナーズは1番打者を固定できず、外野は毎年のように顔ぶれが変わっている。今はけが人もあって、レギュラーが定まらず、内野手を外野に回したりしながら凌いでいる状況だ。さすがにイチローも、そこまでは見通せなかった。難しいものである。
もちろん、まだ4月が終わったばかり。マーリンズも今後、何があるかわからないが、3人のレギュラーが健在である限り、イチローがスタメン出場するのは敵地で行われる交流戦というパターンがしばらく続くのかもしれない。
ところで、セレモニーがあった日の試合後、クラブハウスにひょっこり、球団売却問題で渦中の人となっており、メディアの取材を避けるためか、しばらく姿を見せなかったロリア氏が現れた。
すれ違いざま、「いいプレゼントでした」と声をかけると、聞こえなかったのか、そのまま通り過ぎていったが、やがて振り返ったロリア氏は、「そうだろ?」とでも言わんばかりに、笑みを返した。