初めての海外ラン!不安解消のための10か条 その3 “快適に走る”準備をしよう!

内田英利

“走る”ための要チェック!な10か条

大会記念Tシャツで走りたいところですが…… 【写真提供:内田英利】

(1)ウェアは特別に用意する!?……普段のウェアを着用して、心にゆとりを!
→ 海外ランに参加する事で、とかく気分はアガりがち。大会の記念シャツや、エキスポ等で販売している記念ウェアを来てスタート! と、いきたいところですが、実際に身に着けて走ると、腕周りが思ったよりもきつく脇が擦れてきたり、首回りが必要以上にだぶつき不快に思ったりとストレスを抱えながらランする羽目になることも。シューズと一緒で、日頃から着慣れたウェアで臨みましょう!

海外ランはスタート時間が早い! 【写真提供:内田英利】

(2)気温が高い海外ランでウェアは露出度UP!?……スコール&汗冷え対策必須です!
→ スタート時、気温30度越えもざらにある海外ラン。だからと言って、極端に肌を見せるウェアで臨むのも、要検討。海外ランは、深夜&早朝にスタート(ユナイテッドグアムマラソンは午前3:00スタート!)する事が多いため、サンライズ前後にゴールを目指すランナーであれば、問題無いのですが、マラソン初心者や、取りあえず完走を目指す方にとっては、難有。それは、朝、ギラギラと日差しが身体を照り付けると体力を消耗したり、海外ランで経験する事が多いスコールが長時間続くと、反対に体が冷えて、これまた、体力を消耗したりと大変だからなのです。
ウェアは、汗をかいたときの不快感や、汗冷えを防ぐメッシュ状の生地や撥水性が優れたドライレイヤーを選ぶのも一つ。また、キャップを被る、肩やお腹を覆うシャツで参加することも、とても大事です。

日差しが身体を照り付けると体力を消耗してしまいます……また、スコールにも要注意 【写真提供:内田英利】

“脚慣らし”のためにも現地のランイベントを活用しよう! 【写真提供:内田英利】

(3)ビタミンカラーで格好良く!?……明るい色は紫外線を通します。。。
→ 気温が高い中で走る海外ランは、いつも以上に爽やかで明るい色のウェアで!と思う方も多いですよね。ビタミンカラーやパステルカラーのウェアが、海外ランのイメージにぴったりなのですが、日焼けを防止するかというと、実は逆効果! 日焼けを避けるためには、暗い色の服を着るのが正解!……濃い色のウェアほど、光を遮断する力がUPするのです。
例えて言うと、透明レンズの眼鏡より、黒いサングラスの方が、光を遮りやすいのと同じこと。明るい色ほど紫外線を通しやすく、暗い色ほど紫外線を防ぐ効果がある事をお忘れなく! 紫外線を防ぐなら、茶や紺などの暗い色のウェアを身に着けましょう。そして、最も効果大!な色は……黒色のウェアになります!

(4)高温多湿の気候への“脚慣らし”方法……1分でも100mでも、現地をラン!
→ 高い気温、肌に空気がまとわりつくような、じめじめした空気の中でのランは、頭ではイメージ出来ても、身体で実際に感じる事がてっとり早い! ということで、実際に現地で走るウェアに着替え、滞在先の周りだけでも軽くジョグ……“脚慣らしラン”をしてみましょう! 想像以上に汗をかいたり、直ぐに喉が渇いたりと、身体の変化を体感する事で、完走のためのヒントが得られるかもしれません。

(5)コンディショニングランにチャレンジ!……モーニングラン&イブンイングランなど、無料で開催されるランイベントを活用しよう!
→ 初めて訪れる土地で、レース前に一人でランするのは、流石にちょっと……という方には、コンディショニングランがおすすめ。日本でのツアー商品に組み込まれていたり、現地の大会事務局で募集していたりと、募る形態は様々ですが、少人数のグループで走る場合が多く、マラソン気分での“脚慣らし”が出来ます。また、イベントで一緒になった方からは、過去のランイベントの様子など、嬉しい情報をゲット出来る事も。

バスでのコース下見ツアーにはぜひとも参加したいところ 【写真提供:内田英利】

(6)脚慣らしならぬ目慣らし!?……コースの下見ツアーもあります。
→ ランイベントのオフィシャルサイトでは、バスでコースを下見するツアーが開催されている事も。実は、私も、バスガイド宜しく、実際に自分がペースメーカーとして走った事のあるコースを、皆さんに解説していると、なるほど感がヒシヒシと伝わってきて、イベントに臨む不安が、目に見えて減っていくのが分かりました。実際のコースを車で巡って感じる事も、不安解消の有効な一つですね。

ガイドのコース解説も役に立ちます 【写真提供:内田英利】

給水所をしっかりとチェック! 【写真提供:内田英利】

(7)走るための必需品! バック、カメラ、スマホ、サプリメントetc……暑さがジワジワと重量感を増す事に。
→ 国内のレースに参加された事がある方は、同じような必需品を身に着けて大会に臨みがち。ハワイを筆頭に、グアムやサイパンなど海外のランイベントは、ビーチ沿いを走るイベントも多いため、とかく暑さとの勝負に。1kgの装備品が10kgに感じる事も。身に着けるものは極力軽量化して、最小限で臨みましょう。

(8)大量に発汗!……1日ハンカチ王子&お姫様で臨もう!
→ 長時間走ると、間違いなく発汗しますよね。汗が目に入るのはとても不快ですから、ウェアのポケットに入る大きさの、汗拭き専用のハンドタオルを用意する事、これ、何気に重宝しますよ! ただし、汗拭き以外での使用は避けるべし。色々な物を拭いてしまうと、ハンドタオルが大量に水分を含み、汗が拭えないんです。。。

(9)ランニング中の水分補給のタイミングは?……15分から20分に1回! 給水スポットでは必ず摂ろう!
→ 途中で走れなくなる原因の一つに、脱水状態になってしまうことが挙げられますよね。給水スポットでは、お水だけでなく、スポーツドリンクも摂るようにしましょう。なぜならば、汗をかくことで、体内のナトリウムやミネラルが、汗と一緒に排出されてしまうため、不足分を補うには、ナトリウムやミネラルが含まれるスポーツドリンクがベストだからです。大概のスポーツドリンクは、体内に浸透しやすいように浸透圧も調整されているので、効率よく水分補給にプラスして栄養補給ができます。
また、1回に摂る量としては、ゴクゴクと2口程度(約100ml)を目安に飲む程度で。一度にたくさん飲んだとしても、すべての水分が体内に吸収される訳では無く、吸収しきれなかった水分は尿として排出されるため、トイレスポットが見えるまではトイレを我慢!なんてことにも。

給水スポットでは必ず水分補給をしましょう 【写真提供:内田英利】

疲労回復には“抗酸化”な食品を! 【写真提供:内田英利】

(10)ランニング中の栄養補給のタイミングは……?
→ 海外ランのイベントは、夏の気候に近い環境で長時間走ることが多いですよね。そこで、水分で補えない分は、栄養チャージがスムーズにできるエネルギー補給ジェルを用意しておくと良いでしょう。疲労回復に役立つ食べ物としては“抗酸化”作用がキーワード。人間は、酸素を使って、生命を維持するために必要なエネルギーを生み出しますが、その過程で、酸素の一部が、正常な細胞を傷つけてしまう活性酸素になってしまうんです。活性酸素が増えると、もちろんランのパフォーマンスは落ちる一方。そこで、その活性酸素を抑える作用……“抗酸化”な食品を摂るのも、完走へのヒントになるというワケ。食品としては、バナナやプルーンが良いでしょう。そうそう! 代表的な日本食……納豆やお味噌汁も“抗酸化”食品の一つですよ。 
“走る”ために、ちょっとした心掛けが、海外ラン完走だけでなく、イベントそのものを、より一層楽しめる事、間違いありません! 次回は、“休む”ための要チェック!な10か条をお届けします。

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著者プロフィール

1971年生まれ。茨城県出身。フルマラソン歴15年。ベストタイムは2 時間45 分01 秒。 グアム ココハーフマラソンは、2009年から6年続けて、ツアー参加者のペースメーカーとして出場。 2016年4月、グアムインターナショナルマラソン2016では、近畿日本ツーリスト主催のツアーに、オフィシャル・トレーナーとして帯同。「Yahoo! JAPAN スポーツナビDo!」にて「マラソン初心者のためのコア・トレーニング」を連載中。分かりやすいトレーニングを動画で紹介し好評を得ている。

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