五輪「3枠」が懸かる世界フィギュア 男子はほぼ確実、宮原欠場の女子に重圧

日本女子の3人が表彰台に挑む

宮原に代わって出場する本郷は、過去2大会の世界選手権で6位と8位に入っており、調子を取り戻せば上位に食い込む可能性はある 【坂本清】

 女子は、男子に比べると技術的な「停滞期」でもある。トリプルアクセル成功者の浅田真央(中京大)とエリザベータ・トゥクタミシェワ(ロシア)は出場権を得ておらず、今季に成功させた紀平梨花(関西大学KFSC)はまだジュニア。結局は「3回転+3回転」を最高技術とし、その「質の高さ」と「成功率」が問われる時代となっている。

 日本勢は、今季のシンデレラガールの三原がどこまで躍進できるか。病気を乗り越えた精神力も加わり、四大陸選手権ではショート、フリーを通じてパーフェクトの演技で優勝を決めた。同様の力を発揮できれば、世界の表彰台も近い。またシニアデビューの樋口は、スピード感とジャンプの飛距離が持ち味。ジャンプがまとまれば、200点超えまであと少しだ。そして補欠からの出場となった本郷も、世界選手権は6位と8位を経験し、世界での評価は高い。日本女子3人は世界トップに挑む力があり、本番のジャンプ次第で順位はいくらでも変動しそうだ。

 優勝候補は、世界女王のエフゲーニャ・メドベージェワ(ロシア)だろう。ジャンプの成功率だけでなく、質も高い。空中で手を上げる姿勢をとったり、踏み切り前にステップを入れたりと、難度を上げることで「加点」を稼げる。昨季のGPファイナル以降、出場した全9大会で優勝しており、強さは別格。平昌五輪まで勢いが衰える様子もない。

 ここに続くロシア女子は、アンナ・ポゴリラヤ。昨季、世界選手権の銅メダルを獲得したことで、一気に自信と風格が身についた。飛距離のあるジャンプに加え、大人の気品溢れる表現力と、「静と動」両面の魅力がある。今季のGPファイナルで216.47点をマークし銅メダル、欧州選手権もメドベージェワに次いで銀メダルと、今季は絶好調を維持している。

コストナーは30歳での復活劇

30歳にして復活を示しているコストナー・欧州選手権では銅メダルを獲得した 【写真:ロイター/アフロ】

 このロシア女子に対抗すべく、200点超えを圏内にとらえているのは、アシュリー・ワグナー(米国)やケイトリン・オズモンド(カナダ)。ワグナーはパワフルなジャンプと滑りが魅力の25歳で、ミスなく決まった時のインパクトが強い。昨季の世界選手権では215.39点を出し、銀メダルを獲得。今季も後半戦に向けてピークを持ってくれば200点超えが可能だ。

 またオズモンドは今季のGPファイナルで212.45点をマーク。滑りにはスピード感、ジャンプにはバネ感があり、可愛らしくてスポーティーなスタイルが特徴だ。ガブリエル・デールマンとともに、カナダの「五輪3枠」を決死の覚悟で目指してくるだろう。

 また3季ぶりに復帰したカロリーナ・コストナー(イタリア)が、30歳にして最高の復活劇を見せている。コーチを、エフゲニー・プルシェンコを指導したアレクセイ・ミーシンに変更し、ジャンプを強化。欧州選手権では「3回転+3回転」を決めて銅メダルを獲得した。高いスケーティング技術と表現力はさらに円熟味が増し、まさに身体芸術と言える作品を見せてくれる。

 女子はジャンプが接戦となる分、それぞれのプログラムの個性が勝敗の分かれ道になる。今季の曲が運命の一曲ならば来季に継続できるし、課題が見つかれば反面教師に来季の曲を選ぶことができる。いずれにしても来季に“十八番”に巡り会うため、今季は自らの殻を破るような演技を期待したい。

(文・野口美恵/スポーツライター)

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