1次R敗退の韓国、世代交代の難しさ その意外な背景と次代のスターを探る
21歳でWBCメンバー入りの金ハソン
21歳ながら第4回WBC韓国代表に選出された金ハソン。俊足巧打ながらパンチ力も兼ね備える 【写真提供:ネクセンヒーローズ】
若手選手がなかなかレギュラーをつかめない中、今回のWBCに21歳で代表入りした選手がいる。ショートの金ハソン(キム・ハソン/ネクセン)だ。金ハソンは高卒2年目の2015年に140試合に出場。打率2割9分.19本塁打、22盗塁を記録し、この年ネクセンからメジャー移籍した遊撃手、姜正浩(カン・ジョンホ/パイレーツ)の穴を埋めた。昨季も144試合にフル出場し、打率2割8分1厘.20本塁打、28盗塁をマーク。攻守ともに粗さはあるが更なる成長を期待させる若武者だ。
金ハソンは初参加したWBCについて、「オランダの選手は時折ふざけながら楽しそうに野球をやっていた。WBCはお祭りだから彼らみたいにもっと楽しんだ方がいい」と言って笑顔を見せた。
具滋ウクは容姿も抜群のスター候補
強打に加え、その容姿から女性ファンの人気も高い具滋ウク。将来のスター候補として期待されている 【写真提供:サムスンライオンズ】
今回のWBCでも代表入りが目されたが、ポジションが李大浩、金泰均と同じファーストであることと、腰痛の影響で選考から外された。昨年10月、代表予備メンバー50人に含まれなかった時には「何としても代表選手になりたかった」と悔しさを口にした熱いプレーヤーだ。今季はポジションを外野に移している。
また具滋ウクはプレーだけではなくその容姿への注目も高く、数多くの女性ファンの黄色い声援を浴びている。身長189センチ、体重75キロ。すらりと伸びた長い足に小さくて端正な顔立ち。2015年までサムスンでコーチを務めていた門倉健氏(43歳)は具滋ウクについて「いいバッティングをするし足も速い。男前だし性格もいいです。天は二物を与えた」と絶賛する。
彼ら以外の24歳以下の注目選手では2014年の新人王で、2年連続打率3割をマークした俊足のセカンド・朴ミン宇(パク・ミンウ/24歳/NC)がいるが、その他にはなかなか見当たらないのが韓国の実情だ。
近年の韓国球界は安定した人気があり、代表チームのWBC1次ラウンド敗退がリーグの盛り上がりに及ぼすダメージはほとんどない。しかし今回紹介した選手以外にもU−24代表に名乗りを上げるような若手の台頭がなければ、いずれリーグの質は低下し好況も続かないだろう。アジア プロ野球チャンピオンシップ出場に向けた選手の成長は、4年後のWBC、そして韓国球界の未来と無縁ではない。
(※WBC代表の平均年齢は東京ラウンド開幕の3月7日時点。)