「再燃」したリーガの優勝争い 上位3チームが勝ち点2差にひしめく
レベルの高いプレーを見せたビジャレアル
レアル・マドリーとの試合でも“イエロー・サブマリン”ことビジャレアルは高レベルのプレーを披露 【Getty Images】
上位陣には一歩遅れをとっているものの、“イエロー・サブマリン”の愛称を持つビジャレアルの現在の順位は、彼らの実力を正確に表すものではない。
2−3で敗れたレアル・マドリー戦もそうだ。クリスティアーノ・ロナウドが決め、2−2としたPKの判定は現行のルールに反するもので、ブルーノ・ソリアーノが故意に手でボールに触れたわけではなかった。また、世界で最も強力かつ無数のタレントを擁する相手に対し、2点のリードを得たビジャレアルがボールとピッチを譲渡してしまう過ちを犯さなければ、ゲーム終盤の猛攻に屈することもなかったかもしれない。
バルセロナが結果を出しながらもプレー内容の悪さをごまかせないように、リーガで勝ち切れず、ヨーロッパリーグでも敗退したからといって、ビジャレアルのフットボールがかすんで見えることはない。彼らがレアル・マドリー戦の前半に見せたプレーレベルは非常に高かった。これまで“ロス・ブランコス(白い巨人)”をあそこまで翻弄(ほんろう)したチームは多くない。しかも、ビジャレアルは2−0とした後、さらにリードを広げるチャンスも手にしていたのだ。
面白くなってきたリーガの優勝争い
シーズンの佳境に差し掛かり、リーガの優勝争いはいよいよ面白くなってきた 【Getty Images】
レアル・マドリーのしぶとさには毎度驚かされるばかりだ。翌節のラス・パルマス戦では2点のリードを許しただけでなく、ガレス・ベイルの退場によって1人少ない状況にまで追い込まれた。それでも、ゲーム終盤は鬼気迫る猛攻を仕掛け、終了間際に2点を返し同点に持ち込んでしまった。2試合連続での逆転勝利には至らなかったものの、この勝ち点1は後々大きな意味を持つことになるかもしれない。
リーガは各チームの浮き沈みが激しいリーグである。現時点ではこれまで最も安定して結果を出してきたレアル・マドリーがタイトルに一番近い位置に付けているが、それも延期分の第21節で国王杯準々決勝で敗退に追い込まれたセルタ・デ・ビーゴに勝つことができればの話である。
レアル・マドリーのすぐ後ろには、こちらもハイレベルなフットボールを実践しているセビージャがいる。バルセロナも未知数な部分が大きいものの、どんな偉業も成し遂げかねない攻撃力を秘めていることは確かだ。
シーズンの佳境に差し掛かり、リーガの優勝争いはいよいよ面白くなってきた。
(翻訳:工藤拓)