カーリングLS北見、再浮上のカギは!? 元代表が注目する二つのポイント
リスクがあるサードの変更
パシフィック・アジア選手権の3位決定戦から本橋がサードに入った。しかし、シーズン途中での変更はリスクもある 【写真:田村翔/アフロスポーツ】
シーズン途中でのサードの変更は、危険を伴う大胆な決断であるというのがカーリングの一般論として言える。自分のペースを大事にするスキップとサードとのコンビネーション“醸成”には、それなりの時間が必要なのだ。敦賀副委員長は「1年をかけてじっくりコンビネーションを築くことができた昨季と比べ、今季のLS北見はその時間が足りなかったのだと思います」と分析した。つまり、オフシーズンにじっくりと戦略イメージをすり合わせる作業が欠かせないというのだ。ほかと替え難い本橋の才能も、そうした熟成期間を設けることでこそ、スキップ藤澤との連携の中で輝き出す。
ウエートジャッジが秀逸な鈴木の起用
「ウエートジャッジが秀逸」だという鈴木の起用は、再浮上のカギとなるかもしれない 【写真:アフロスポーツ】
ウエート管理を全幅の信頼で任せられるセットアッパーがいれば「スキップが最後に大事なドローをするときに相当安心できる」(敦賀副委員長)。もしかすると、鈴木をあらためて起用することが再浮上の二つ目のカギになるかもしれないということになる。
今季を土台に、五輪シーズンへ
吉田知は、悔し泣きする妹の吉田夕の横に立ち、「もう少しやれたはずなのにと思う前に、今シーズンの結果を受け入れたい。楽観も悲観もせず、私たちのカーリングを作っていきたい」と語った。
本橋は「新スキップを迎えて産みの苦しみが続いたと思うが」と問うた際、“苦しみ”という言葉を明確に否定した上で、「産休の間で、周りの人たちのおかげで私のカーリングがあると思えましたし、こんなに好きなんだと分かりました。さっちゃん(藤澤)のカーリングが大好きだし、カーリングのための人生ではなくて、人生の一部としてのカーリングを楽しみたい。平昌のメダルを目指していきます」と答えた。
これらの力強い声からは、どんなスタイルを確立するにせよ7か月後の彼女たちは、ひと味違うプレーでファンを楽しませるつもりだという覚悟が感じられた。まずは出場権、そしてメダルへ。手探りの今シーズンが、進化への土台となるはずだ。