力不足浮き彫り……ショートトラック 肌で感じた韓国、中国の強さ

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「スピードも駆け引きも足りない」

世界をリードしている韓国、中国勢に囲まれての決勝で、両国の強さを肌で感じた渡邉 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 準決勝を2位で通過し、日本人で唯一決勝に進出した渡邉。決勝は韓国勢3人、中国勢3人に囲まれてのレースとなった。彼女たちの強さを肌で感じた渡邉は、両国の選手たちをこう分析する。

「韓国の選手はトップスピードがすごいです。最初から(レース終盤の)ギリギリまでずっと後ろの方にいても、最後に全員抜いてこれてしまうくらい。駆け引きというよりはとにかく力がある、強いなというのを感じていて。中国はもちろんスピードもあるんですけど、レースがうまいなという印象を受けました」

 選手層の薄い東南アジアの選手たちは、レース中盤までに先頭集団から離されることが多かった。日本はそこまでは付いていくことができる。問題は最後の勝負どころ。表彰台に近付くためには、ラスト2、3周から一気にペースアップする場面を制さなければならない。

「スピード力が世界との差をすごく感じているので、まずはそこの強化を計りつつ、後は技術面、抜き方だったり駆け引きも並行してどっちももっと上げていかないと、今後戦っていけないかなと思っています」

 スタミナはある程度通用したと振り返ったが、スピードも、技術も、駆け引きの力も及ばなかった。実力差を痛感した渡邉の表情は、どこかこわばっていた。

完全アウェーの平昌五輪まであと1年

平昌五輪まで残り1年。韓国、中国勢と優勝を争うところまでいけるか!? 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 厳しい結果となったショートトラックの今大会初日を終え、各選手は「世界トップと戦えていい経験になった」と口をそろえた。川崎努監督は「想定通り」と淡々と振り返った上で、健闘できた部分もあったと一定の評価をくだしている。

 一方で女子1500メートルを制した世界選手権総合2連覇中の女王チェ・ミンジョンは、自身のライバルを問われ「すべての中国選手と韓国選手」と答えた。平昌五輪まであと1年を切り、日本勢はまだメダルを争うトップ選手の視界に入れていない。自国開催の強みがありながらの今回の結果。完全アウェーとなる大舞台まで、残された時間はあまりにも少ない。

(取材・文:藤田大豪/スポーツナビ)

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