フルマラソン自己ベスト更新のための3か条 今日から実践すればタイムは伸びる![PR]

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【スポーツナビDo】

目標タイムを超えたいランナーの皆さんへ

実業団「サンベルクス陸上部」の総監督、田中正直さん 【スポーツナビDo】

 東京マラソン、名古屋ウィメンズマラソンなどビッグイベントを直前に控えた2月。市民ランナーにとっては最も練習に熱が入る時期ではないでしょうか?

 目指すところはもちろん「自己ベストもしくは目標タイムの更新」。でも、そのためには何をすればいいのか分からない……そうした、まだまだ初心者だけど目標に向かって前向きなランナーのために、実業団「サンベルクス陸上部」の総監督、プロランニングコーチとして多くのランナーを指導している田中正直さんにアドバイスを伺いました。
題して『マラソン自己ベスト更新のための3か条』!

その1 自分のレベルを知る!
その2 アミノ酸(アラニン・プロリン高配合糖質混合物)を効率よく活用!
その3 毎日の『チョイ足し』運動!


 それでは、この『マラソン自己ベスト更新のための3か条』について、それぞれ田中さんのレクチャーをもとに詳しく説明していきます。

その1 自分のレベルを知る!

自分の現在のレベルを知り、目標タイムを立てていこう! 【スポーツナビDo】

 トレーニングをするにしても、ただ漠然とやってもプラスにはなりません。自分が今、目標に対してどのレベルにいるのかを知り、その上でトレーニング計画を立てることが大切。そこで、田中さんが1つの目安として「分かりやすい数値」としておすすめしている計算式がコチラです。

『フルマラソンの目標タイム(分)÷9.7=5kmのタイム(分)』
※1 「9.7」は過去の一般ランナーの平均タイムから導き出した、理論上の数値です。

 目標としているフルマラソンのタイムが4時間ジャストだったとしましょう。それを上記の計算式に当てはめると……出てきた5kmのタイムは24分44秒です。

 この24分44秒と自分の直近の5km全力走を比較してください。5km全力走を計測したことのない方はこの機会に是非計測してみて下さい。このタイムは持久力に欠ける初心者の方の目安です。持久力トレーニングとともに、スピードアップのトレーニングも積極的に取り入れて5kmのタイムを縮めていきましょう。

 なお、注意していただきたいのは、シリアスランナーや持久力に自信のあるランナーは9.7ではなく、9.5〜9.3(※2)で割って5kmのタイムを算出してください。
※2 「9.5〜9.3」は過去の競技ランナーの平均タイムから導き出した、理論上の数値です。
 5km走なら速く走れても、42.195kmともなると後半のスタミナ持続が課題。スタミナ切れなどを防ぐためにも、さらに長い距離を走る持久力トレーニングを取り入れたり、普段の生活でも積極的にアミノ酸を摂取するなど、スタミナを蓄えていきましょう。

 当日のペース配分も上記の計算式を使って予測できます。

 大会が迫っている方は、5km全力走を計測し、9.5または9.7をかけて計算してみて下さい。ゴールタイムが予測できますので当日のペースに配分を決定する材料になります。

『5kmの全力走タイム(分)×9.5or9.7=フルマラソンの設定タイム(分)』
スピードと持久力がバランス良いと思う人は、9.5倍、持久力に自信のない人は9.7倍。

 例えば5km25分で走れた人は9.5倍=3時間57分30秒、9.7倍=4時間02分30秒と出ますので、レース中の1kmごと、5kmごとのタイムが出せます。そこに当日の天候や風、コースの特性(下り、上りなど)を加味してペース配分を決めると成功する確率が大幅にアップします。

その2 アミノ酸(アラニン・プロリン高配合糖質混合物)を効率よく活用!

カーボローディングは実は難しい 【Getty Images】

 持久力系スポーツで一番の課題となるのは、競技の後半でいかにスタミナ切れを起こさないようにするか――。フルマラソンでは、多くのランナーは30km付近でパフォーマンスが著しく低下してしまいがちです。この後半の「スタミナ切れ」「バテ」を抑えるためにカギとなるのが『グリコーゲン』。

 グリコーゲンは糖源とも呼ばれており、体内に貯蔵できるエネルギー源のこと。言わば体を動かすガソリンのようなものです。「急激なスタミナ切れを抑えるには、肝臓や筋肉にこのグリコーゲンを貯めることが重要です」と田中さんは力を込めます。

 一般的にスタミナ切れは、血糖値、つまり血液中のブドウ糖(グルコース)の低下が原因と言われており、ブドウ糖はすぐにエネルギーとして消費されてしまいます。そこで、出番となるのが体内に貯蔵されているグリコーゲン! このグリコーゲンがグルコースへと変わり、新たなエネルギーとなってパフォーマンスの低下を抑制するというわけです。例えて言うなら、財布の中の現金(ブドウ糖)がなくなっても、キャッシュカードの残高(グリコーゲン)があれば困らない!といった感じでしょうか。

 では、そのグリコーゲンを体内に貯めるにはどうすればいいのか?

「普通の食事だけでは難しいんです」と田中さん。実際にグリコーゲンを貯蔵する食事方法として、炭水化物・糖質を多く摂る“カーボローディング”という方法があり、多くのランナーの間では常識とされています。しかし、実はこれが落とし穴なのです。

アミノ酸は用途ごとにしっかり使い分けよう! 【スポーツナビDo】

「レース1週間前から炭水化物や糖質を制限し始め、3日前からは逆に炭水化物や糖質をたくさん摂るというのが一般的なカーボローディングの方法。でも、一般の市民ランナーですと、この食事のスケジューリング自体が大変ですし、体への負担も大きい。簡易的な方法として、レース3日前から炭水化物を多めに摂る食事法もありますが、レース直前は疲労を抜くために練習を控える時期。そんなときに炭水化物をいつもより多く摂っても、逆にカロリー過多になり太りやすくなってしまうだけ。カーボローディングという方法は、実は実業団レベルの選手でも失敗しやすいんです。ですから、市民ランナーレベルですと、なおさら難しくなりますね」

 では、市民ランナーレベルではグリコーゲンを体内に貯蔵できる方法はない、ということですか?

「いいえ、それがあるんです。しかも、カーボローディングよりもずっとお手軽です!」

 田中さんが自信を持っておすすめするグリコーゲン貯蔵方法はずばり、アミノ酸の活用。それも『アラニン・プロリン高配合糖質混合物』を継続的に摂取する方法です。

 アラニンとプロリンは体内で特にブドウ糖(グルコース)を作り出す機能が高い「糖原性アミノ酸」。この2つのアミノ酸と糖をいっしょに運動前や運動中に摂取することで、血糖値の低下を抑え、体内のグリコーゲンの蓄積量アップに有効であることが報告されているのです。

「この『アラニン・プロリン高配合糖質混合物』が主成分のものを、レースの2週間前から練習30分前くらいに飲んでみてください。そして1週間前からは毎日1本ずつ、朝もしくはお昼に飲むのがおすすめです。このように継続的に摂取すれば、カーボローディングを無理にしなくても、グリコーゲンを体内に効率よく貯めるのに役立ちますよ。また、大会当日はスタートの30分前に1本、20〜25km地点でもう1本飲むのもポイント。そうすれば後半のスタミナ切れ、バテを抑えることができると思います」

 ここで大事なのは、必ず普段の練習で『アラニン・プロリン高配合糖質混合物』を試してみること。慣れないまま、本番直前にいきなり飲んでみたら、想定外にお腹がタプタプになってしまった、効果がよく実感できなかった……なんてことがあるかもしれません。ですので、練習するうえで、どのタイミングで、どれくらいの量が自分に一番効果的かを判断してください。
 そして、もう1つ。単に“アミノ酸を摂ればいい”というわけではありません。アミノ酸には様々な種類があり、その働きや効果も様々。世の中にはたくさんのアミノ酸関連のものがありますので、グリコーゲン貯蔵を目的とするならば、『アラニン』と『プロリン』が含まれたものがおすすめです。

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著者プロフィール

習慣的にスポーツをしている人やスポーツを始めようと思っている20代後半から40代前半のビジネスパーソンをメインターゲットに、スポーツを“気軽に、楽しく、続ける”ためのきっかけづくりとなる、魅力的なコンテンツを提供していきます。

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