センバツを決めた履正社を支える4番打者 “全国区”の主砲・安田の存在が励み

沢井史

昨秋は公式戦全試合でヒットを記録

若林は力強いスイングで高校通算17本塁打を放つ右の強打者 【写真は共同】

 夏の甲子園でも全3試合に出場した。4番となった昨秋は、大阪大会8試合、近畿大会4試合、神宮大会4試合と全試合でヒットをマークしている。近畿大会では2試合連続でホームランを放ち同大会優勝に貢献したが、今や“全国区”の打者になった安田の存在が若林にとってはいいモチベーションにもなっている。

「安田は自分の前でいつもいい当たりを打つので、プレッシャーになる時もあるんです。安田は確かにすごいし、一緒に頑張っていきたいと思う反面、活躍されると悔しい時もあります。でも安田がいてくれたから自分も頑張ってこられたし、自分の調子が悪い時にいろいろアドバイスをしてくれたりする仲間。センバツでは負けないよう打ちたいです」と意気込む。

4番として流れを変える一打を!

 この冬は万全な状態で冬のトレーニングができることが何よりうれしい。ただ、昨冬のように練習中にケガをして、また遠回りをしてしまうのではないか、今でも恐怖感はついて回る。それでも弱気にはなってはいけないと自らを奮い立たせ、この冬は鍛錬のもと、自分との戦いを続けている。

「ランナーがいたら、必ずかえす。終盤、リードされていても流れを変える打撃をしたいです。それが4番の役目なので。厳しい場面の打席でも、流れを変える一打を打ちたいです」

 普段から物静かであまり表に出るタイプではないとチームメートは話す。ただ、その表情の裏で、確固たる意志の強さも覗かせる。礼儀正しく、大人に対してもしっかりと目を見て話せる面も好印象だ。2度目となる甲子園は安田に負けない鋭いスイングを、そしてチーム初の甲子園日本一を静かに誓う。

若林将平(わかばやし・しょうへい)

【沢井史】

2000年3月3日生まれ。180センチ86キロ。右投右打。1年秋に初めてベンチ入り。2年夏は背番号2ケタながら大阪大会全8試合に出場し、夏の甲子園でも全3試合に出場した。スイングの強さが売りで、現チームからは主砲、そしてキャプテンも務める。高校通算本塁打17本。

2/2ページ

著者プロフィール

大阪市在住。『報知高校野球』をはじめ『ホームラン』『ベースボールマガジン』などに寄稿。西日本、北信越を中心に取材活動を続けている。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント