2強に挑む武豊ヌーヴォ、大外攻略が鍵 BCフィリー&メアターフ有力馬を解説

JRA-VAN

ヌーヴォレコルトとクイーンズトラストは名手のマジックに期待

 マイケル・スタウト調教師が送り込むクイーンズトラストが3番手の評価を受けている。ここまでデビュー戦での1勝しかあげていない3歳馬だが、7月末のG1ナッソーSから前走のブリティッシュチャンピオンズ・フィリーズ&メアズSまで3戦連続でG1に挑戦し、すべて3着以内という堅実さは見逃せない。ヨークシャーオークスではセブンスヘブンに敗れたが、前走は序盤に左右から挟まれて後方に下がる不利。それでも直線はセブンスヘブンに伸び勝って3着を確保している。実力は紙一重と見えるところに、今回はランフランコ・デットーリ騎手との初コンビが決定。2戦連続でライアン・ムーア騎手のセブンスヘブンよりも伸びしろを見込める。

武豊とともに挑戦するヌーヴォレコルト、大外攻略が好走の鍵になる 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 ここに割って入りたいのがヌーヴォレコルトだが、最悪の大外枠を引いてしまった。サンタアニタパークの芝2000mはコーナーにゲートが置かれ、東京競馬場の2000mのように外枠が不利。しかも、200m過ぎでダートコースを横切るため、スピードが乗りはじめる所で慎重にならざるを得ない。序盤の乗り方が非常に難しくなった。ただ、逆転の目は残されている。プリティパーフェクトが隣の12番枠から先行しそうで、勢いがつけばペースも上がる。セブンスヘブンのアシストに徹するなら、差し馬向きに流れる可能性も低くはない。11番には名手デットーリのクイーンズトラストもいる。この辺りの読みと駆け引きから武豊騎手が如何に乗るか。マジック炸裂に期待だ。

2頭出しは人気薄から? 力量確かなシーカリシ

 4番人気のシーカリシはレディイーライと同じチャド・ブラウン調教師の管理馬で、前々走にG1ビヴァリーD.Sを快勝している。前走はフラワーボウル招待Sで僚馬に完敗しており、陣営の序列としては2番手で致し方ないところだが、欧州在籍の昨年にはヨークシャーオークスでクビ2つ差の3着、ヴェルメイユ賞でもトレヴの3着がある。トレヴには5馬身離されたものの、オルフェーヴルやキズナが凱旋門賞でつけられた着差と大きく変わらず、力量は確か。ブラウン師が最近4年で3勝、今回に3連覇を懸けるなど、このレースの勝ち方を熟知しているのも不気味だ。

 ヌーヴォレコルトと人気で並ぶキャッチアグリンプスは、今年のベルモントオークス招待Sの勝ち馬で、昨年はBCジュベナイルフィリーズターフでも優勝。その戦歴はレディイーライの後を追うかのようだが、前走は先手を奪うも直線早々に失速して自己最低の7着に終わっている。今回は前述のプリティパーフェクトや、このサンタアニタパークが地元のアベンジらとの兼ね合いが課題だ。オブライエン師はベルモントオークス招待Sでクールモアが2番手追走から跳ね返され、BCジュベナイルフィリーズターフでもアリススプリングスが2着。管理馬がキャッチアグリンプスに連敗しており、ここで楽をさせてもらえるか。

 この他では前走でG1E.P.テイラーSを制し、立ち回りの巧さがあるアルズギャルも注目の1頭。また、人気薄だがペルー芝女王の肩書きを持ち、日本では「トーセン」の冠名で知られる島川隆哉氏が所有するライアンズチャームも気になる存在だ。

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