Bリーグ開幕で現場に変化はあるのか!? 3人の名将に問う日本バスケの未来 前編
bjリーグ初年度からHCを務めてきた関西の名将たちに、Bリーグの未来を問うた 【素材提供:(C)B.LEAGUE】
Bリーグ開幕で日本バスケットボールが新時代に突入した今、3人の名将たちはこのBリーグ、そして日本バスケの未来をどう見ているのか。今回は3者に同じ質問を投げ掛けて、それぞれの考えを問うた。
日本人のレベルは「上がっている」で一致
桶谷HC「bjリーグのトップでやってきた選手は、NBLの選手に比べてサイズは小さいですが、スキルやバスケットIQは上がったんじゃないかと思っています。bjリーグができて底辺が広がり、多くの選手にチャンスが与えられましたが、プロでギリギリできるレベルかなという選手もいました。でもbjリーグができたことでプレーできて、レベルを上げていった選手も少なからずいると思います」
浜口HC「NBLはちょっと分からないですが、bjリーグの当初と比べれば日本人のレベルは上がってきたと思います。その理由は単純で、bjリーグができたころに実業団ではなく、プロの世界に入った選手たちが、1日中練習ができる環境の中で上達していった。そういうプレーヤーが、11年を経てベテランになった。ということを考えると、単純にレベルは上がっているという考え方です。個々の技術面でも11年間練習してきた蓄積の分、レベルアップしていると思います」
天日コーチはbjリーグの当初に外国人の出場に制限がなかったことも、日本人のレベルアップに寄与したと言う。
天日コーチ「今のルールがどうというわけではないんですが、外国人が2人とか1人となると、日本人の小さな選手は日本人にしかマッチアップしない。bjリーグのときはマイケル・ガーデナーやナイル・マーリー、マット・ロティックら190センチ台前半くらいまでの外国人としては小さい選手がいて、彼らに日下(光、現京都。174センチ)選手らがついたりする。僕はそういう状況も、良かったなと思います。チーム内にも外国人が多く、練習から今まで経験したことのない大きな選手や速い選手とプレーできたのが、bjリーグのシチュエーションで良かったところですね」
リーグ全体の競技力は劇的に変化せず
Bリーグが開幕したからといって、選手の競技力が劇的に変化するわけではない 【石田祥平】
桶谷HC「Bリーグになったからといって、すぐにレベルが上がるというものではないと思います。重要だったのはリーグを統一して、bjリーグとNBLの選手たちが同じ土俵で戦うこと。それがスタートラインだったと思う。これから戦っていくうちに、bjリーグの選手はNBLの選手に慣れていくのかなと思います。慣れなければコートに立てないだろうし、慣れさえすれば通用するプレーができる選手が出てくるんじゃないかなと僕は感じています。ただ今の段階では通用する選手もいれば、まだまだ通用しない選手がいるのが現状ですね」
浜口HC「B1はbjリーグの上位チームが入っていますし、NBLも同じことがいえます。そういう意味ではレベルが高いんじゃないかなと思います。ただ現時点ではリーグが統一されて、よりレベルの高いリーグになったとは感じないですね。僕らにとっては高いレベルになったかなと思いますけれど、NBL勢にとって高いレベルのリーグになったかは、ちょっと分からないですね」
天日コーチ「そんなに劇的に変わっていることは、ないですよね。何年か前と何かが大きく変わったとか、選手が急激にうまくなったとかは感じていません。やっぱり、日本はすべてがこれからです」