先発陣の誤算でレンジャーズ散る ダルビッシュ復帰1年目は悔しさと手応えと
先発2枚看板が期待に応えられず
第3戦、レンジャーズはエラーも絡みサヨナラ負け。3連敗で地区シリーズ敗退が決まった 【Getty Images】
シリーズ前、バニスター監督は、「これほどの2人を擁してプレーオフに臨むチャンスはなかなかないのでは?」と聞かれて、「いや、われわれは25人で戦っている。その質問に答えるのは難しい」とはぐらかしたが、その点での優位性は明らかだった。
ところが、である。
第1戦に先発したハメルズは、3回1/3、6安打7失点(自責点6)で降板。第2戦のダルビッシュは1イニング3本塁打を含む4被弾(ともにキャリア初)、5回5失点でマウンドを降りた。
ハメルズに関しては、不安が現実になったとも言える。8月30日(現地時間)以降、6試合に先発して5失点以上が4回。四球から自滅するパターンが少なくなかった。
ダルビッシュは4被弾で天仰ぐ
その日の試合後、こう言ったのが印象に残る。
「まったく心配がなく、良い成績が残せるんじゃないかなと思います」
あの自信に満ちた口ぶり。納得の表情。プレーオフに間に合った――かと思いきや、4本塁打を浴びて天を仰いだ。
それでもその第2戦はリリーフ陣が踏ん張り、それ以上の得点を与えていない。後は彼らの勝ちパターンである中盤以降に逆転する展開に持ち込むか、と見えたが、あの試合では得点圏で18打数2安打。13安打という相手の倍以上のヒットを放ちながら、拙攻を繰り返した。
ようやく第3戦でレンジャーズらしい戦いを見せたのはすでに触れた通り。しかし、6回に一度は逆転しながら突き放せなかったのが響いた。
理想へは「ちょっとずつ近づいて来る」
「だんだん道が狭くなってきてるかな。広い道がいくつも分岐してたのが、だんだん狭くなってくるわけですから、ちょっとずつ近づいて来るだろうとは思います」
そこへの過程は「なかなか難しかった」そうだが、「こういう感じかなっていうのは、分かってきた部分もある」。
ダルビッシュは気持ちを切り替え、来季を見据えた。この前向きさは、屈辱から立ち直ろうとするチームにとって、一筋の光明となるのかもしれない。