来季巻き返しへ鍵を握るのはオレだ! Bクラスチームの投打の若手を紹介
真価を見せ始めたドラフト1位勢
8月11日の日本ハム戦以降、5連勝と覚醒した西武の多和田 【写真は共同】
その西武では、ドラフト6位ルーキーの本田圭佑も9月にプロデビュー。岸孝之のFAでの去就が取り沙汰される中、来季は高橋光成、誠といった若手投手の成長が、来季のチーム浮沈のカギを握ることになる。
楽天では右肘手術からのリハビリを克服した釜田佳直が、夏場に2軍降格の試練がありながらも、先発ローテの一員として今季19試合に先発して7勝(4敗、防御率3.89)を挙げた。また高卒2年目の安楽智大も計11試合に先発し、当初は安定感を欠く内容が続いたが、8月19日のオリックス戦(京セラドーム)で7回4安打無失点、9月18日の西武戦(西武プリンス)では8回7安打1失点と成長の跡を見せた。エースの則本昂大とともにこのホープ2投手が2ケタ勝利を挙げれば、来季の上位進出は見えてくるはずだ。
オリックスでは2013年のドラフト1位右腕・吉田一将が今季は中継ぎで結果を残したが、14年のドラフト1位左腕・山崎福也が、昨季に続いて今季は3勝止まり。来季こそ飛躍を遂げなければならない。
新たな和製大砲の出現に期待
オリックスのドラフト1位ルーキー・吉田正尚、「3番・レフト」に定着しているが、来季はさらなる飛躍を目指す 【写真は共同】
同じく期待の和製大砲と言えば、埼玉西武の山川穂高も注目だ。以前から大きな期待を背負い続けているが、今季は7月末からレギュラーに定着して、ここまで14本塁打を放っている。フルシーズン出場ができれば、その本数は必然的に増えるはず。ホームランアーティストとして、いよいよ大きく羽ばたく時がきたと言えるだろう。
その他、西武のドラフト7位ルーキー・呉念庭はチームの長年の課題だった正遊撃手に収まりつつあり、オリックスの21歳、若月健矢は新世代の正捕手として歩み始めた。今季の新人王と呼び声高い茂木栄五郎(楽天)もまだ22歳で、来季以降のさらなる飛躍が期待できる。
Bクラスのチームはすでに来季を見据えている。チームの低迷期は、若手選手にとってはチャンスの時であり、今季“神った”鈴木誠也(広島)のような若手が出現すれば、一気にチームは波に乗ることができる。巻き返しへのカギは、大きな可能性を秘めた若手たちが握っている。
※成績は9月25日終了時点
(文・三和直樹/ベースボール・タイムズ)