広島・緒方監督、黒田らが優勝会見「交流戦から力がついてきたのを実感」

ベースボール・タイムズ

選手は本当に自信を持っていい

緒方監督は「選手たちが自分の役割をやった上で、思い切ってグラウンドでプレーしてくれている。それが大きな力になった」と優勝の要因を語った 【写真は共同】

――監督に伺いますが、歴史に残る圧倒的な強さでしたが、何が変わったのか。今年の強さの要因は何だったのでしょうか。

緒方監督 強い強いと言われていますけど、開幕してから、苦しい試合がずっと続いていたんですよね。特に投手陣にケガ人が続出して、その限られた人数の中で、何とかペナントを戦っていかなければいけない。その投手陣の中で、先発、中継ぎと、いろんな役割をやってもらいながら、戦っていましたし、その中で、それを守る野手ですよね。本当にピッチャーを助ける守備、そして攻撃、そういうのが本当にかみ合いだして、力がついてきたなというのが交流戦ぐらいの時期ですかね。あの時に、これが今シーズン、われわれが目指す野球なんだということを、本当に数多くあそこからやってくれたので、大きな力となって、勝ち切れたと思っています。

――今日の試合も投手陣は勝ちパターンの盤石な体制でしたし、攻撃の方でも、今シーズンのチームの良さが随所に出ていたと思います。

緒方監督 だから、選手は本当に自信を持っていいと思うんですよ。まだ成長の途中だとは思うんですけど、本当に選手に送りたい言葉は、「ありがとう」という言葉と、もっともっと自分の力を信じろと、これからもっと成長していくということ。本当に、今日の試合もそうですけど、それぞれが自分の役割をやった上で、思い切ってグラウンドでプレーしてくれている。それが、チームの力となって、今日もそういう目指す野球の形で、勝てたゲームだったと思います。

黒田&新井、復帰2年目での優勝

今季、2000安打と300本塁打を達成した新井だが、「今日が最高うれしい」とコメント 【写真は共同】

――黒田さんと新井さんに伺いますが、お二人は昨年チームに復帰して、2年目で優勝という形になりました。

黒田 さっき新井が言ってましたけど、本当に夢のようで、ちょっと出来すぎかなという感じですね。

――黒田さんにとっては、今シーズンは現役を続ける決断もあったと思いますが。

黒田 いろいろ悩みながらも、もう1年やると決めて、まさかこういう結末が待っているとは思っていなかったので、本当に監督をはじめ、チームメイトに感謝したいなと思います。

――新井さんはいかがですか。

新井 本当におかげさまとしか言いようがないですね。昨年カープに戻ってきて、開幕戦の時に代打で出た時に、あんなにたくさんの声援をいただけるとは思っていなかったので、今度は自分が感動ももらったので、その声援を送ってくれたファンの皆さんに喜んでもらいたいという気持ち一つで、去年、今年とやってきました。その中でこういう風に優勝させてもらって、監督にも選手たちにも感謝したいと思います。

――今シーズンは2000安打、300本塁打と大きな記録もありましたが、優勝というのは、また違った喜びですか。

新井 全く違いますね。全然、違います。今日が最高にうれしいです。

打線をけん引した丸&菊池

――丸さんと菊池さんい伺いますが、2人は打線のリーダーとしての立場でのシーズンだったと思いますが、改めて今シーズンの役割を考えて、いかがですか。

 去年がああいう形で、非常に悔しい成績(打率2割4分9厘)だったんですけど、今シーズンに関しては、もっともっといい成績を出したいとは思っているんですけど、その中でも自分が仕事ができなかった時に、新井さんだったり、菊池だったり、(鈴木)誠也だったりが、しっかりとカバーしてくれたというか、そういうつなぐ意識が本当に、打っている人たちがみんなあると意識しながらやっていたので、自分ができたというよりは、本当にみんなで一丸となって戦えたなと思います。

――菊池さんはご自身の打撃を振り返っていかがですか。

菊池 丸もほかの選手も、期待されている中で、何もできなくて本当に悔しい思いをして、キャンプから徹底的に打撃をやってきたんですけど、今までよりは一番難しい2番という感じでしたね。

――一番の難しさというのは、どこに感じていましたか。

菊池 監督からは、バントは少なくしていくぞとか、そういうことも言われて、我慢しなければいけないところもあったので、そこで本当に考えて、考えて、自分を殺しつつ、みんなのためにと思って、ずっとやってきました。

ファンの後押しが選手の力になった

緒方監督は「マツダスタジアムでのファンの後押しが本当に選手の力になった」と感謝の弁 【写真は共同】

――監督に伺います。今シーズンを振り返って、印象に残る試合、場面を教えてください。

緒方監督 一つは難しいですね。試合を強いて挙げるなら、広島で、マツダスタジアムで試合をする時ですね。ファンの声援というか、あれは本当に選手の力になって、本当に後押ししてくれるので、今シーズンは特に広島での戦い、マツダスタジアムでの戦いが、特に印象に残っています。

――優勝が決まったばかりですが、残りのレギュラーシーズンの戦い、そしてクライマックスシリーズに向けての意気込みをお願いします。

緒方監督 ここが最終目標ではないので、やはり日本一が目標なので、今まで追うことしか知らなかったのが、こうやって追われる立場として、今シーズンは戦いますし、クライマックスシリーズも1位としてマツダスタジアムで戦うので、これは全て強くなるための経験だと思います。この経験の中で勝ち切って、日本一を勝ち取りたいと思っています。

黒田 CS、日本シリーズとね、短期決戦になってくるので、今まで以上にチーム一丸となって、戦っていきたいなと思います。

新井 僕も同じなんですけど、CSと日本シリーズがありますので、またもう一回気を引き締めて、まずはCSに向けて頑張りたいと思います。

――丸さん、菊池さんはタイトルなどの可能性もありますが。

 個人的な成績はあまりないですけど、今日、優勝できたことを一つの区切りにして、まだこれから続きますから、これまで以上に負けられない戦いになるので、CSを勝ち切って、日本シリーズと続くので、それに向かってやっていきたいと思います。

――最後に菊池選手。

菊池 今と変わらず、チームのために自分の仕事をしっかり、これから先、できるようにしっかりやりたいと思います。

――ありがとうございました。どうもおめでとうございます!(会場内拍手)

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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