桐生&ケンブリッジが語る五輪と未来 初の銀メダル「いけると思っていた」

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桐生「海外で冒険してみたい」

2人とも「海外でやっていきたい」と、より強い選手とトレーニングを積める環境を希望した 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

――初めての五輪はどういう大会でしたか?

桐生 100メートルは予選で敗退してしまったんですけど、けがなく五輪の100メートルに初めて出られたというのは、すごく大きいと思います。そしてリレーでメダルを取れたので、その日は最高の1日だったなと思いますね。

ケンブリッジ 個人では準決勝敗退と力を出し切れなかったので、ちょっと悔しいですけど、リレーを良い形で終われたというのは良かったですし、ボルト選手と隣で走れたことも良い思い出になりました。最後に離されちゃったのは、選手として悔しいですが、しっかり銀メダルを取って終われたのは良かったです。

――4年後に向けて挑戦したいことは?

桐生 僕はそろそろ体作りをしていってもいいかなと思っています。また帰って、より一層動ける体にしていきたいと思います。

ケンブリッジ 今思っているのは、どんどん海外のレースも増やして、常に世界のトップ選手と、こういう大会だけで競り合うんじゃなくて、普段から競い合えるような状態を作っていきたいなと思います。

――ゆくゆくは海外を拠点にという希望はありますか?

桐生 もちろん希望はあります。1年ぐらいそういうところに放り出されてみて、そこで冒険じゃないですけど、過ごしてみたいという気持ちはありますよね。今年の春に米国遠征に行きましたが、気分転換になるんです。日本はいろいろな目もあるので、普段の生活的には楽なところはあります。

ケンブリッジ 僕も海外でやっていきたいという希望はあります。常に強い選手とトレーニングしながら、試合に出られるので。強い選手に揉まれながらやっていきたいです。

――海外の生活は苦にならない?

桐生 僕は全然苦に思ったことはないです。ただ、今回のブラジルは思ったより飯がまずかったですね(笑)。

ケンブリッジ おいしくなかったね(笑)。

桐生 米国とかでは、別に和食が食べたいとは思わないんですけど、さすがに今回は、パスタとかきついなというのはありました。肉とか味が違うし、思っていたよりもまずかった。早く帰っておいしいものが食べたいですね。

ケンブリッジ 僕も普段は海外に行ってもそれほど気にならないんだけど、今回はあんまりおいしくなかった。栄養をけっこう気にしてとっていたけど、毎回同じ料理で飽きちゃうんだよね。最後の方はピザとかパスタに逃げちゃった。

ケンブリッジ「桐生に負けたくない」

――100メートルではライバルですが、お互いをどう見ていますか?

ケンブリッジ 何すかね。難しいな……。高校生の時からずっとトップでやっているので、そこは選手として素直にすごいなと思いますし、負けたくないなと思っています。性格は、僕が見た限り、リレーメンバーでは一番負けず嫌いだと感じます。何か話をしていると、ふとした瞬間に負けず嫌いだなと感じるんです。

桐生 負けてうれしい人は五輪の舞台に立っていないと思いますよ(笑)。先輩は優しいですし、競技者としては後半速い。そこは見習いたいですし、速い先輩がいるというのは僕にとってもプラスです。優しいエピソードですか?(笑)。う〜ん……。

ケンブリッジ 僕のいないところで話をしてください(笑)。

――(笑)。五輪が終わったばかりですが、来年は世界陸上があります。具体的な目標は?

桐生 個人では良い成績を残したいですが、リレーでも今回と同様以上の色のメダルを取りたいです。五輪ではないですが、世界陸上は陸上で最高峰の大会なので、そこでしっかり結果を残せるように、今年の冬は海外の選手や、速い選手と練習したいなと思います。

ケンブリッジ 今大会、個人では悔しい思いをしたので、来年こそは個人で結果を残して、悔しい思いをしないよう、自分の力を出し切ることが目標です。リレーでも今以上のメダルを取りたいと思います。

――4年後の東京五輪に向けて、それぞれどういうプランを考えていますか?

桐生 4年前、僕は五輪を見ていても、この舞台にいる、立てると実感がなかったんです。4年でどう変わるかも全然分からないですし、分からない部分が自分でも楽しみな部分です。毎日毎日、毎年毎年、真剣に陸上をやっていきたいな、というのはあって、その延長線上に2020年があるという感じです。

ケンブリッジ 僕も4年前はテレビで見る側だったので、まずはこの舞台に立つことが目標でした。これからはこの舞台に立つことが目標じゃなく、4年後は、個人でファイナルに残る、リレーでもメダルを取るという目標で、4年前とは明らかに違う状態だと思います。世界陸上はあと2回ありますし、しっかりそこで経験を積んで、4年後はしっかり9秒台を出して決勝に残りたいと思います。

(取材・文:大橋護良/スポーツナビ)

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