驚異の16歳、競泳・池江インタビュー 日本新連発も「すごく怖かった」

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大会と練習の疲れも見せず、笑顔で取材に応じる池江 【スポーツナビ】

 計7種目、12レースに出場。まだ16歳の池江璃花子(ルネサンス亀戸)だが、リオデジャネイロ五輪に臨んだ競泳日本代表の誰よりも多く泳いだ。さぞかしお疲れかと思いきや、「今日も朝練で泳いできました」と、さわやかな笑顔を見せてくれた。

 今年に入ってからは、試合へ出場するたびに日本記録を更新。競泳界のニューヒロインとして、これまで以上の注目を浴びることになった。リオ五輪では得意とする100メートルバタフライ(以下、1バタ)で決勝に進出するなど、その成長スピードは加速するばかり(結果は6位)。競泳競技が終わった翌日、そんな池江に初めての五輪を振り返ってもらった。

自分の弱みをたくさん見つけた

得意の100メートルバタフライでは泳ぐたびに日本記録を更新する会心の泳ぎを見せた 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

――今大会は計7種目に出場しました。ご自身の中で一番印象に残っていることは何ですか?

 1バタで決勝に行けたのが、自分の中では大きな出来事でした。メダルには届かなかったけれど、自分の目標が達成できたのは良かったです。ほかの種目はあまり良いタイムも出なくて、日本チームに貢献できたところは少なかったとは思いますが、すごく楽しめたし、充実した五輪でした。

――1バタは、大会前から決勝進出を目標としていましたが、自信はありましたか?

 正直、エントリーした時点ではランキングで8位以内に入っていなかったので、そこからうまく食い込めるかどうかは不安でした。決勝は3位で残ったのですが、本当に準決勝前は決勝に残れるか心配で心配で、すごく怖かったです。

――その怖さは、どうやって払拭(ふっしょく)したのですか?

 入場する直前に、私の隣のレーンの外国人選手(米国のケルシ・ウォレル)が「頑張って」と声をかけてくれたんです。ライバルではあるけれど、同じ水泳選手として、一緒に泳ぐ仲間として、応援してくれていると思えるだけで、自分に味方がついた気がしました。

――今回も泳ぐたびに1バタの日本記録を更新していました。そこまで記録を伸ばすことができた要因を、ご自身ではどう考えますか?

 去年の世界選手権を経験して、そこでは周りのことを気にしすぎて、自分のことに頭が回らなかったんです。それで結果が出なかったのもあって……。以前は、自分としっかり向き合いながらレースをすると、「緊張して結果が出ないかもしれない」というのがけっこうあったのですが、いざスタート台に立ったらやる気がみなぎってきて、頑張ろうと思えるようになりました。それが大きいのではないかと思います。ただ、この大会では自分の弱みをたくさん見つけたので、これからの課題にできるんじゃないかなと思っています。

――自分の弱みとは?

 海外の選手と比べて、後半のラスト5メートルや10メートルから一気に落ちてしまうところですかね。あとはこの間、50メートルバタフライで日本新記録を出したんですけれど、なかなか前半から突っ込むことができないというのがあって……。前半から突っ込むと後半に浮いちゃうことが今までにあって、怖くてビビッて行けなかったりしたので、そういうところを強くできたらと思っています。

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