錦織圭の作戦を上回った巧者マリー リオ五輪準決勝のポイントを解説
世界ランキング2位のマリーにストレート負けを喫した錦織 【写真:ロイター/アフロ】
日本勢96年ぶりのメダル獲得を目指した錦織の準決勝の戦いを、日本体育大テニス部監督の森井大治氏に解説してもらった。
サービスがプレーの組み立てに影響
準々決勝で劇的な勝ち方をして勢いに乗る錦織選手に期待がかかりましたが、準決勝ではマリー選手がそれを上回るプレーを見せました。準々決勝では素晴らしいプレーをした(ガエル・)モンフィス選手に対して、ギリギリのところで連続ポイントを決め奇跡的な勝利。もしかしたらと思っていたので残念ですね。まだ3位決定戦にメダルの可能性がありますから、次戦は頑張ってほしいです。
――この試合の錦織選手のプレーぶりはどうだったのでしょう?
錦織選手がまったくダメ、勝ち目がないという試合ではなかったと思います。1−6とゲーム差が開いた第1セットも、サービスが決まらずリズムに乗り切れないところをマリーに突かれましたが、ラリーに持ち込んだ場面では、錦織選手らしい良いショットが出ていました。
――サービスがうまくいかなかったことが敗因のひとつですね。
そうですね。ファーストサービスが入らないことで自分のサービスゲームを有利に進めることができませんでした。サービスがプレーの組み立てに影響し、ゲームの主導権をマリー選手に渡してしまいました。マリー選手はもともとリターンの良い選手なので、サービスが思ったところにいかないことが、さらにプレッシャーになっていたようでした。