祝・黒田200勝! 積み重ねた記録の重み ベースボール・グラフィック・レポート

【データおよび画像提供:データスタジアム】

 答えは「26」人目。2000安打達成者に比べ、200勝に到達したのは前者のほぼ半数。日本でのキャリアのみで達成された2000安打より、日米通算の注釈が付く200勝の方が少ないのだ。単純にシーズン10勝を20年間挙げ続けてやっと到達することを考えても、非常に難しい記録なのは理解いただけると思う。

 スタルヒンに始まり、金田正一や稲尾和久、山田久志に江夏豊――。達成者の一覧を見ても、まさに「歴戦の勇者」と呼ぶにふさわしい面々が並んでいる。ちなみに日米通算での到達は、野茂英雄以来2人目。米国でキャリアを終えた野茂に対し、黒田はメジャーでもまだまだ第一線を張れるような状態で広島へ凱旋。さらに白星を積み重ね、これまでにない新しい形のキャリアを築いている。

2000安打は日本プロ野球のみの達成者数、200勝には日米通算を含む。黒田達成前までの記録 【データおよび画像提供:データスタジアム】

 各年代での達成者数を見てみると、1940年代から60年代までは200勝達成者の方が多かった。これは当時の時代背景として各チームの選手層が薄く、実力の高い投手が先発・救援関係なく毎日のように投げていたからだと推察される。

【データおよび画像提供:データスタジアム】

 近年は2000安打達成者が毎年のように生まれ、2000年代以降でみても20人もの選手が到達している。一方で、黒田の前に200勝を達成したのは08年の山本昌までさかのぼらなければならない。これは試合数の増加、科学的なトレーニングの普及で選手寿命が延びたことに加え、先発・中継ぎ・抑えと投手の分業制を前提に各チームが編成を行っているからだろう。

 ちなみに1970年代以降で、2000安打達成者よりも200勝達成者が多くなった年代は存在しない。日本球界でセーブが公式記録になったのが1974年。投手の分業制が進むと同時に、ひとりの大エースのみに負担がのしかかる時代は終わりを告げた。

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