これぞハーフマラソンの最高峰!? ブルックリンハーフの魅力とは

南井正弘

【南井正弘】

米国ではフルマラソンよりハーフの方が人気

 6月9日、第6回大阪マラソンの抽選結果が発表された。倍率は約4.22倍と過去最低となったが、自分の周囲にも3連敗、4連敗したランナーも珍しくなく、まだまだ容易に走ることができる大会ではない。この大会を始めとして、日本ではフルマラソンの人気が高く、先着順では激しいクリック合戦が繰り広げられ、抽選制のレースでは東京マラソンのように10倍を超える倍率を記録することもあるのだ。

 一方でランニング先進国と言われるアメリカはどうだろうか?

 ニューヨークシティマラソンやボストンマラソンのような超人気大会を除くと、メジャーなロードレースでもロサンゼルスマラソンのように前日でもエントリーできることは珍しくない。日本人のランナーの多くがフルマラソンに出たくても出ることのできない「レース難民」になっているという話をすると、アメリカのランナーは一様に驚いた表情を見せる。前述のように簡単にエントリーできるフルマラソンの大会が沢山あることに加えて、アメリカではフルマラソンよりもハーフマラソンのほうが人気があるからだ。

 アメリカのハーフマラソンの大会に出たことのある人なら、ゼッケン引取りのエクスポ会場などで“Half the distance Twice the fun!”(距離は半分だけど、楽しさは二倍!)とプリントされたTシャツやマグカップを見たことがあるかも知れない。アメリカのランナー曰く、ほどよい距離でレースを楽しめて、ダメージがそれほどでもないから、午後からもスケジュールを入れられるハーフマラソンは一般的なランナーに最適であり、日々マイル/9分(km/5分35秒)ほどで4~5マイル(約6.4km~8km)を走っているレベルのランナーは、大会にエントリーするならフルマラソンよりもハーフマラソンをセレクトする場合が多いという。

 それが証拠にRUNNING USAの調査によるとハーフマラソンの完走者数は2012年の185万人から2014年の205万人まで大きく伸びている。日本のように「猫も杓子もフルマラソン!」という状況ではないのだ。そんなアメリカにおいて最も多くのランナーを集めるのがニューヨークのブルックリンで行われるブルックリンハーフである。

1/2ページ

著者プロフィール

フリージャーナリスト。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツブランドのプロダクト担当として10年勤務後、ライターに転身。スポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズを得意分野とし、『フイナム』『日経トレンディネット』『グッズプレス』『モノマガジン』をはじめとしたウェブ媒体、雑誌で執筆活動を行う。ほぼ毎日のランニングを欠かさず、ランニングギアに特化したムック『Runners Pulse』の編集長も務める

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント