福島「結果にこだわって走りたい」=陸上リオ五輪代表 発表会見

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尾縣専務理事「最強のチーム」

代表発表会見に臨む日本陸連の尾縣専務理事(右)と麻場強化委員長 【スポーツナビ】

尾縣貢(日本陸連専務理事) 今回内定した選手については誠に競技力の高い、現在の日本の現状からすると最強のチームが構成されたと思っています。リオデジャネイロはひとつのゴールではありますが、2020年の東京を見据えて、これから成長していけるメンバーであると考えています。

麻場一徳(強化委員長) 選考させていただいた選手については、現段階でベストメンバーが組めたのではと思います。漏れている選手もいますが、7月11日まで追加条件において選考する場合があるので、追加選考を待って最終的には全体の選手団が構成されます。目標についてはまだ全体がそろったわけではないので、兼ねてから申し上げている通り、全体がそろった時点でメダル、入賞、その他の目標を公表させていただきたいと思います。

――金丸選手が選出されたのは、選考要項の「強化委員会の推薦」か?

麻場 選考基準の(2)の2)「強化委員会が推薦する参加標準記録を満たした競技者という条件」を満たしての選考になります。金丸選手に関しては、4月の末から5月の上旬、つまり日本グランプリの大会期間中に米国およびカタールに遠征し、4×400メートルの(世界)ランキング16位のタイムを出し、そこに大きく貢献しています。それ以前からも4×400メートルのチームの柱として活躍しています。そういう事情もあり、限りなくの「日本グランプリシリーズ、またはゴールデングランプリで日本人1位の成績を収め(た選手)」に近いと判断しました。また今回、アキレス腱のケガによって練習が十分つめなかった。そういう状況もあって、(日本選手権の400メートルは)予選落選という結果になってしまいましたが、現状としてアキレス腱の炎症はほぼすでに回復していますし、あと2カ月の間にきちっと練習を積めばパフォーマンスも改善するだろうと。これはチームドクターの判断も含めて、そういう結論になりました。

――藤光選手が代表に内定したが、200メートル決勝の段階で故障している。現在の状況、きょう内定発表になった理由、もし期間中に(出場が)難しいとなったら誰かが代わりに出場するのか教えてください。

麻場 昨日の段階で医事委員会の見解をいただいて、本番までには回復するだろうと。(決勝)レースの前半で脚を痛めたという報告でしたが、それにもかかわらず20秒7(20秒77)で走り切っていますので、本番までに十分に回復し、きちっとしたパフォーマンスを発揮してくれると、そういう判断をしました。

――混成の右代選手も試合中にケガをした。現状は?

麻場 日本陸連のドクターが診断をしてくれ、左手の親指の骨折については1カ月あれば十分元に戻るだろうということですので、もう間もなく棒高跳びの練習もできるのではと。そのほかの練習については十分できるだろうという報告を受けていますので、われわれとしても十分に回復して、ベストパフォーマンスが出せるという話をしました。

 ついでに申し上げますと、新聞等で桐生選手がけいれんという報道がなされていましたが、けいれんに関してはケガではないし、全く本番には問題ないと、医事委員会から報告をいただいています。

――女子5000メートルで内定した上原選手は、参加標準記録を切ってはいたが、日本選手権では奮わなかった(5位)。選考の基準は?

麻場 金丸選手と同じく選考基準の(2)の2)を満たしての選考です。ただ、今回、日本選手権5000メートルの結果から言いますと、参加標準記録を突破している選手の中で3番目となります。1番が尾西選手、2番目が鈴木選手、3番目が上原選手です。もう1つありまして、男女の5000メートル、1万メートルについては、この後の追加の選考はない。この時点で選考された選手で決まるということなので、そういうこともあり、上原選手を選考させていただきました。

――それは東京も見据えてということか?

麻場 それも大きな要素になっていたかと思います。

リレー全種目出場へ、2週連続トライアル

――7月12日以降に追加の選考があるとのことだが、いつすべてのメンバーが出そうろうのか?

麻場 7月11日までが(追加条件の)記録の有効期限になるので、それを経てからになる。リレーについてですが、12日の夕方くらいに国際陸連から報告があるということなので、13日以降ということになるかと思います。スケジュール調整の段階ですが、15日に日本陸連としてのミーティング等がありますので、そのあたりの段階で目標等については発表させていただけるのではないかと思う。

尾縣 11日までの追加に関しては、一度、強化(委員会)で案を作成して、選考委員会を開催して内定し次第、できるだけ早く公表したいと思います。

――ベストメンバーが組めたとのことだが、全体の特徴は?

麻場 基本的には力のある選手がきちっと力を発揮して、代表に選ばれているなと思っています。そういう意味でも現状では日本の陸上界のベストメンバーで構成されているのではないかと思います。若いメンバーもいますが、基本的には実績のある、地力のある選手たちでの構成かなと思っています。

――世界の舞台で8位を目指して派遣設定記録を設定した。実際に男子100メートル、200メートルなどで切った選手がいるが、本番でどれくらいの結果を期待するか?

麻場 派遣設定を切っている選手は入賞が限りなく近い選手だと思っています。ただ、全体が出てきた時点でランキングでどれくらいかを勘案したいですし、本人の目標もあります。基本的には派遣設定を切っている競技者には入賞を目指してもらいたいと思っています。

――リレーについて、各種目について現在の世界ランキング、出場権を勝ち取るために必要なタイム、出場権獲得のために予定している大会は?

麻場 現状のランキングで言うと、男子の4×100メートルはすでに出場権を得ています。基本的には100メートル、200メートルで今発表したメンバーで構成したいと思っています。4×400メートルは現在14位という状況です。これについても、現在アフリカ選手権が行われていますし、来週末には欧州選手権が行われているということで、われわれもじっと待っているわけにはいかないので、今週末の3カ国交流大会、来週末の大阪選手権でトライアルをする予定です。

 女子の4×100メートル、4×400メートルについては現在17位ということで、圏外になっています。これを圏内に入れるためには、手元に資料がなく正確な数字は申し上げられないが、4継で言えば43秒4台がほしい。欲を言うなら43秒39の日本記録を更新するパフォーマンスがほしいということです。4×400メートルのほうでは、3分31秒台のパフォーマンスが16位以内に入るためには必要だろうと。できれば3分30秒を切る数字がほしい。昨年の北京世界選手権で3分28秒台の日本記録を出しているので、それに相当するような記録を出せるメンバーを選考できたのではないかと思います。この後のチャレンジについては、男子と同じく3カ国交流大会と大阪選手権を予定しています。

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