長谷川健志HC「世界への挑戦の第一歩」 五輪最終予選に向けたバスケ代表が始動
八村は選びたかった
八村(写真)の不在を問われた長谷川ヘッドコーチは「選びたかった」とコメント 【写真:田村翔/アフロスポーツ】
八村に関しては選びたかったです。ただ、現状ゴンザガ大への進学などもあり、彼のターニングポイントだと思います。彼の置かれている状況を優先して選ばなかったので、選べる状況であれば選びたかったです。代表の合宿も彼にとっては大きな経験になりますので、公式戦だけではなく、2020年まではいろいろなところで参加してほしいとは思います。もちろん、後は米国で試合に出られるような選手になって、競争してさらに大きくなってほしいと思います。
――チェコとラトビアとの対戦が決まっているが、それぞれの特徴と対策はあるか?
チェコは昨年、国際親善試合で戦っています。内容としては71−86で敗戦でした。センターが非常にフィジカルが強くて大きい。ヨーロッパの中でもレベルアップしてきているチームですので、強敵であることは間違いありません。ラトビアは(クリスタプス・)ポルジンギスが出場しないということで、われわれにとっては少しの救いかなと思っています。
この2つのチームは昨年のリオ五輪予選リーグで同じ組でした。最初の試合はラトビアが勝った。最後のOQTへの出場枠決定戦で対戦した時はチェコが勝っており、スタイル的にも非常に似ています。力的にも似たようなチームです。われわれが高さとフィジカルの弱さをどのように克服するのかが大きなポイント。そしてわれわれにはスピードと守備が欠かせません。ディフェンスに関してはもう少しリスクを負ってでもチャレンジするような守備をしたい。そして相手の弱点を突きたい。この前は86点取られましたけれど、あと10点抑えることと、10点増やすことは可能です。難しい戦術というよりは、シンプルなことを40分間出せるかどうかが大きいと思います。
シュートに関しても、今年のチームに関しては25分の10は最低ラインでスリーポイントを決めたい。おととしはアジア大会で(決定率が)42%でした。去年はもっと悪いです。スピードが速い展開からのスリーポイントを増やし、かつビッグマンも多少スリーポイントにチャレンジして、アベレージを高めないといけないと思います。ディフェンスはフルコートでチェンジングをしながら、日本の良さを出していきたいと思っています。
渡邊のオールラウンダーさは大きい
長谷川ヘッドコーチに「彼のオールラウンダーさは大きい」と評価された渡邊(写真) 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
日本はビッグマンと言っても、竹内兄弟と太田と荒尾などですが、2メートル10以上あるわけでもなくフィジカルがすごく強いというわけでもない。そんな中、3番=スモールフォワードのところをサイズアップしたいと考えていた。そういうポジションに渡邊が入るというのは、彼のリバウンド力だったり、高さだけでなくドロップショットの脅威。そしてどんな相手にもマッチアップできる速さや走力もある。そしてシュート力もまだまだこれから向上できると思う。そういう彼のオールラウンダーさは、日本にとってかなり大きなものになると思います。
――日本の長所を強めるために特別なトレーニングは考えているのか?
非常に合宿期間が短いです。昨年までの戦術に少しプラスアルファと修正を加えます。それと渡邊が入ってきたことによる戦術の追加などもあると思います。一つずつ作りあげていくというよりは、練習とゲームの中で戦略をどうやって作っていくかが大事だと考えている。
――渡邊選手の今のコンディションは? また成長したと感じている部分はあるか?
この2月後半から3月にかけて視察に行きました。プレーイングタイムも自分で獲得していますし、チームの中では彼が一番、ジョージワシントン大の中でディフェンスのキーマンになっていると思います。大きい選手に対しても、小さい選手にもマッチアップできて、どのような状況でも彼の良さを出していた。チームの柱になっていたと思います。あとは、米国と日本代表のバスケットのやり方が少し違ってくるので、米国ではあまり彼がやっていないようなプレーも日本ではやってほしいと思っています。フィジカルの部分はまだまだこれからですね。プレーは体から生まれてきますので、そこはまだまだかなと思います。